“市有地を有料駐車場”問題…市の土地?市議の土地? 沼津市が市議を提訴へ(静岡県)

沼津市の市議が、市の土地を駐車場として貸し出していたとされる問題。お互いが自分の土地だといい、両者の主張は平行線をたどっていますが、来週月曜日の市議会で、市が山下市議を提訴するとした議案が採決されます。

(坂井記者)

「あちらが問題となっている駐車場です。山下市議は自宅の隣の土地を有料駐車場として貸し出してい ましたが、そのうち2台分を巡り言い争う形となっています」

現在、5期の山下富美子市議…。

市は9月、「市の土地」を駐車場として貸し出し、不当に得た利益の返還を求め、山下市議を提訴するための議案を提出しました。

(沼津市 総務部 杉山 康 部長)

「市有地を貸し駐車場として収益を得ていた相手方に対し、所有権に基づく不当利得の返還及び利息の支払いを命ずる判決を求めるものであります」

そもそもこの問題は2022年8月、“匿名の通報がきっかけ”でした。市が土地の登記簿などを調べた結果、“駐車場2台分”が市の土地だと判明。市側は得た利益、約200万円の返還を求めていましたが、山下市議側が“応じられない”と回答したため提訴する方針を固めたのです。

一方、山下市議は…。

(沼津市 山下富美子市議)

「市に提訴された土地は私のものです。証拠が見つかり、市はこの事実に基づいて提訴を取り下げてほしい」「提訴を取り下げないなら、こちらも提訴をします」

山下市議は9月の会見で、問題の土地に係る過去に市と交わした「確約書」などを示し、自身の土地だと主張しました。

市と現役市議の土地を巡る問題…。これは、その周辺を示したものです。

(沼津市 道路建設課 長嶋 晃令 課長)

「当該議案の土地については、この赤い点線の部分です」

問題となっている土地の周辺一帯は、元々山下市議の父親の土地でした。市がこの土地に関わったのは、遡ること約30年前、橋の拡幅工事のため橋に沿って土地を取得。ただ、市は黄色い部分は山下市議側ではなく第三者から購入したといい、さらに当時の「土地の売買契約書」も残っているといいます。

(沼津市 道路建設課 長嶋 晃令 課長)

「工事をするときに必要な土地を買うのに、第三者が持っていたのでそこを買った」「(市が)第三者から買った契約書がある、契約書に基づいて登記された登記簿がある」

一方、山下市議も当該土地は第三者に売っていた土地だとした上で、拡幅工事の際に買い戻したという認識で、登記漏れではないかと主張しています。

来週月曜は市議会の最終日。山下市議を提訴するとした議案が採決されます。

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