瀬戸内の薬味酒「保命酒」のとっくり集めた特別展 美術品としても注目 広島・福山鞆の浦

広島県福山市で江戸時代から地元の名産として知られる保命酒ー。この保命酒を入れたとっくりの展示が始まりました。

RCC福山放送局 内田博文 記者
「福山市鞆町の名産、それが保命酒です。今回の展示では保命酒を入れるさまざまな形、色、大きさをしたとっくりが集められました」

保命酒とは地黄など13種類の薬草を漬け込んだ薬酒です。福山市鞆の浦歴史民俗資料館には所蔵品のほか、収集家から借りた「保命酒とっくり」も含めおよそ500点が並んでいます。

丈夫で割れにくいことから広く流通したという備前焼のとっくりです。

こちらは容器に穴を開けて植物のつるを通しています。つるを、持ち手や装飾にしながらも保命酒がこぼれなかったという不思議な仕組みのとっくりです。

江戸時代後期の風光明媚な鞆の町並みなどが絵付けされたとっくりも、小ぶりながら注目を集めています。

福山市鞆の浦歴史民俗料館 檀上浩二学芸員
「美しい美術品としても楽しめますし、潮待ちの港町の文化が詰め込まれてとっくりが出来上がったことも知ってほしい」

特別展「大保命酒展」は、12月3日まで開かれています。

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