那須・朝日岳4人遭難事故から1週間 警察や消防などが登山者に注意喚起

登山者(右)にチラシを配って安全な登山を呼びかける消防署員=13日午前8時50分、那須町湯本

 那須町湯本の朝日岳(1896メートル)の登山道付近で登山者の男女4人が低体温症で死亡した遭難事故は13日、発生から1週間となった。那須塩原署と那須地区消防本部などは同日、朝日岳からほど近い「那須ロープウェイ」山麓駅などで広報活動を行い、登山者らに遭難への注意を呼びかけた。

 午前8時半。同署と同消防本部の署員ら計約30人は、登山の注意点や携帯電話の予備バッテリーなど緊急時に必要となる装備品が記載されたチラシを登山客に配り、「登山届は提出済みですか」「けがに気を付けて」などと声をかけた。

 埼玉県北本市から訪れた60代女性は「テレビで遭難事故のニュースを見て驚いた。今日歩くのは初心者コースだが、防寒着などをいつもより入念に準備してきたつもり」と話した。

 この日は朝から晴天となり、午前9時の段階で同駅周辺の駐車場はほぼ満杯の状態。今後も登山者の増加が見込まれる中、同署の高木賢司(たかぎけんじ)地域管理官(52)は「付近一帯の山は急に強風が吹くなど想定できないことが起こる。山に慣れた人でも油断せず、状況によっては計画を変更する勇気を持ってほしい」と、安全を最優先する意識の徹底を求めた。

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