過大請求で野々市店処分 国交省、ビッグモーターに

行政処分が科されるビッグモーター野々市店=野々市市三日市3丁目

  ●車検20日、整備10日間停止

 国土交通省は13日、一斉立ち入り検査した中古車販売大手ビッグモーターの野々市店(野々市市三日市3丁目)など24都道府県の34工場に対する、自動車整備の事業停止や民間車検場の指定取り消しなどの行政処分案を公表した。野々市店では、整備料金の過大請求や車検項目の一部未実施、記録簿の記載漏れが判明。10日間の自動車整備事業停止、20日間の車検業務停止となる。

 34工場のうち12工場は民間車検場の指定も取り消す重い処分となる。各地方運輸局は20日、ビッグモーター側の意見を聞く「聴聞」を実施し、早期に処分を確定する。

 北陸信越運輸局によると、野々市店は不要な整備を無断で行って料金を請求したり、排ガスを検査せずに車検証を交付したりした。調査報告書では野々市店の修理事例71件のうち30件で、不適切行為の疑いが指摘されていた。

 野々市店は13日、通常通り営業した。ビッグモーター本社は「処分案を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努める」とコメントした。

 イオンモールかほく店(かほく市)では店舗前の植え込みを敷地所有者のイオンリテール(千葉市)に無断で伐採、舗装した問題が発覚。イオンリテールは土地賃貸契約を10月31日付で解約するとし、かほく店は10月末で閉店する。

 国交省によると、他の工場への調査も続いており、本社から法令違反につながる指示があったかどうかなど組織的な関与の有無についても解明を目指す。調査終了は年をまたぐ見通しで、行政処分や指導対象が増える可能性がある。

 34工場では点検・整備料金の過剰請求や車検項目の一部未実施、記録簿の虚偽記載などの道路運送車両法違反を確認した。

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