フォロワー1万人社長(34)が「コンゴ投資」で逮捕1カ月前に告発されていた“余罪”

(写真:共同通信)

10月13日、アフリカ・コンゴ民主共和国の採掘事業を行う会社の買収に必要だと謳い、出資金を騙し取った疑いで、投資会社を経営する男を含めた4人が逮捕された。

各メディアによると、出資法違反(預かり金の禁止)容疑で逮捕されたのは、投資コンサルティング会社「SQUARE DESIGN」社長の船越洋平容疑者(34)と、神戸市の金属販売会社「アドヴァンス工業」社長の樽本貴司容疑者(47)、同社役員の萩原啓三容疑者(52)ら4人。

4人は、21年4月から6月にかけて、コンゴにて採掘事業を行っている「アドヴァンス工業」のグループ会社が海外企業に高値で買収される可能性があるとして、船越容疑者を中心に投資家たちから4億5500万円資金を集めた疑いがもたれている。

買収が成功した場合は倍の金額を支払い、買収に失敗しても元本は保証すると謳い出資金を募っていたが、実際には買収はされておらず、払い戻しもなかったという。

これまでにも100人近くから数十億円を違法に集めていた疑いももたれている社長らだが、実は逮捕される約一カ月前に、船越容疑者のX(旧Twitter)に“告発”が寄せられていた。

新卒で入社したという大手営業コンサルティング会社での経験や経営者の目線の仕事論を綴り、Xで1万人以上のフォロワーを獲得していた船越容疑者。9月4日、いつものようにXで高説を説いていた。

《社員から「本気でやります」と言われても、経営者が思う本気と社員の本気は全然ちがうので「あれ?本気じゃないの?」と思うことがしばしばある。なので、相当な覚悟がない限りは本気と言わないほうがいいし、言うなら定量的な指標とセット。定性的な口だけ本気は信用を損なうだけ》

しかし、この投稿に思わぬツッコミが入る。船越容疑者と同じ大手営業コンサルティング会社出身だという、ある起業家男性が投稿を引用する形で、《ガッツリポンジスキームで同僚から金巻き上げて詐欺ったのに、よく表でれんな。イカツイわ。笑》とリプライしたのだ。

「ポンジスキーム」とは、集めた出資金を投資に運用しているよう装い、実際は運用せず集めた資金を顧客に配当する詐欺手口。突然の告発に対し、船越容疑者は《とんでもない事実無根の爆弾発言をいきなり食らったけど、リスクをとっていろんな投資をしていると、あることないことを言われることがある》と詐欺行為を否定。《本当に悪いことやってたら実名でXやらないでしょ》とまで綴っていた。

船越容疑者は怒りがおさまらなかったのか、翌5日もこの起業家男性に対して《貴殿が発言を撤回して公に詫びない限り、時間、お金、労力、名誉、すべてをかけて死ぬまで私は戦う覚悟がありますし、もしも撤回しない人であれば、自分の過ちを認めず反省せず屈折したプライドを守ろうとする稀有な経営者ということになります》と徹底的に否定した。

これに対し、起業家男性は船越容疑者の詐欺被害を受けた人が自身の先輩であるとした上で、その人たちの名前をイニシャルで紹介した上で《あげたらキリないですけどお金返してから物申したらどうですか?》と反論していた。

告発された詐欺の真偽は現時点では定かとはなっていないが、船越容疑者が逮捕された“稀有な経営者”になったことは間違いないようだ。

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