かごしま国体第7日 カヌー成年男子 寺島(諫早市役所)悔しい3位

【カヌー成年男子ワイルドウオーター・カヤックシングル1500メートル】力強いパドリングで3位入賞した寺島(諫早市役所)=湧水町轟の瀬特設カヌー競技場

 特別国民体育大会「燃ゆる感動かごしま国体」第7日は13日、鹿児島県内各地で13競技が行われ、長崎県勢はカヌー成年男子ワイルドウオーター・カヤックシングル1500メートルで寺島崚一郎(諫早市役所)が3位入賞を飾った。
 重量挙げ成年男子89キロ級の山口洋文(虹の原特支職)はスナッチで4位、ジャークで5位に入り、2種目入賞を果たした。馬術成年女子標準障害飛越の柿平紗枝(アシェンダ乗馬学校)は5位と健闘。自転車成年男子スクラッチの清水稜太郎(明治国際医療大)は8位入賞した。陸上勢は少年男子B円盤投げの本多恵丞(口加高)が43メートル13で6位に食い込み、少年男子A300メートルの植松康太(長崎南高)は予選を組1着で決勝に進んだ。
 バドミントンの成年男子は山形との1回戦を2-0で快勝。少年女子は2回戦で山梨に2-1で競り勝って3回戦進出を決めた。相撲少年は予選3戦全勝で7年ぶりに決勝トーナメント(16チーム)に勝ち上がった。
 第8日は14日、各地で17競技を実施する。

◎スプリントで「リベンジ」

 順位が確定した電光掲示板を見た後、涙が止まらなくなった。「負けても悔いはないと言えるぐらい練習してきたつもりだった。でも、やっぱり悔しい。勝ちたかった…」。カヌー成年男子ワイルドウオーター・カヤックシングル1500メートルに臨んだ寺島(諫早市役所)にとって、自身過去最高の3位は、少しも喜べない3位だった。
 仕事と競技を両立させている27歳。今季も限られた練習時間の中、精いっぱいの努力を重ねてきた。仕事が終わった後の筋力トレーニング、走り込みに加え、8月以降はほぼ毎日、朝5時半から海に出た。アスリートにとって睡眠が大事なのは承知の上で、寝る間も惜しんでやってきた。
 この日はその成果が出たレースだった。1400メートル付近までのフラットな水面を「ふらふらになるまでこいだ」。急流下りとなるラスト100メートルも思い切り突っ込んだ。だが、結果は3位。「これだけやっても勝てないのかと思ったら…」。現実を受け止めるのが苦しかった。
 競技最終日の16日、2種目目のスプリントに挑む。1500メートルほど手応えは持っていないが、狙える位置にはつけている。今回は大会前、大久保市長に「優勝してきます」と宣言した。市役所全体で応援してもらっていることへの感謝も尽きない。「リベンジしたいですね」。もう一度、気持ちを奮い立たせて、みんなとの約束を果たしにいく。

© 株式会社長崎新聞社