「責任を取れ」「恥を知れ」 傍聴席からやじ、垂れ幕 「虐待禁止条例」で揺れた埼玉県議会、最終日は混乱

傍聴席で垂れ幕やプラカードを掲げる傍聴者=13日午前、埼玉県議会議事堂

 9月定例埼玉県議会最終日の13日、自民党県議団(田村琢実団長)が提出し県内外から批判を浴びた虐待禁止条例改正案の取り下げが承認された。本会議では傍聴者が「責任を取れ」「説明しろ」と大声でやじを飛ばすなど混乱が生じた。

 県議会の傍聴規則では、傍聴者は傍聴席にプラカードなどを持ち込んだり、騒いだりすることは禁止されている。しかし、同日は約64人の傍聴者のうち数人がプラカードや垂れ幕を掲げて「恥を知れ」などと声を上げた。

 立石泰広議長は「議事の妨害は禁止されている。従わなければ退場を命じる場合がある」と警告を繰り返したが、同改正案が可決された福祉保健医療委員会の報告時にはやじで報告が聞こえなくなる事態となった。

 傍聴席で垂れ幕を掲げやじを飛ばした市民団体「世なおし埼玉県民の会」の武内暁共同代表は「(禁止と)分かっているが、表現の自由を重視している。改正案取り下げだけで『よかった』とは思わないし、本会議で十分な説明がなく県民を無視している」と主張した。

© 株式会社埼玉新聞社