マニーが高根沢に新工場 新製品量産化、25年1月完全稼働へ

マニーの新工場のイメージ図

 医療機器製造販売のマニー(宇都宮市清原工業団地、斉藤雅彦(さいとうまさひこ)社長)は13日、取得した高根沢町花岡のキリンビール旧栃木工場跡地に、新製品の量産化技術を確立し、各種製品を生産する新工場を建設すると発表した。デジタル技術を駆使して高度な製品開発を進め、人件費削減につなげる。海外工場に集中する生産体制からの脱却も狙う。月内に着工し、2024年11月を目途に一部稼働を始め、25年1月の完全稼働を目指す。

 同社は20年3月末、キリンビールと工場跡地約28.7ヘクタールの売買契約を締結した。新設する工場は鉄骨造り平屋で、床面積は約1万6300平方メートル。開発した製品の試作や量産化に関する部門を、本社から移管する。設備を含めた総投資額は計95億円。

 新工場では、新製品である歯の根管治療用ロータリーファイル「JIZAI(ジザイ)」の量産に着手する。最新のデジタル機器を導入し、検査体制などを自動化した新たな生産ラインを確立し、人件費の削減や製品の高品質化を図る。眼科ナイフなどの新製品にも対応していく考え。

 現在、同社製品の生産の9割超はベトナムなどの海外工場が占めている。新型コロナウイルス禍では工場の稼働が停止し、生産に影響が出たという。リスクの低減に向け、28年8月期には新工場での生産を同社全体の3割程度に拡大していく計画。新工場で確立した自動化ラインは海外工場にも適用し、売上原価の削減を図る。

 同日、県庁で記者会見した斉藤社長は「創業の精神を忘れず、高根沢から新しい製品を生み出していく」と説明。高根沢への本社機能の移転に関し、「本社は研究開発を強化していく。高根沢への集約はその後、検討していく」と話した。

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