年金改革議論が本格化へ 加入拡大や納付期間延長

 厚生労働省の審議会で秋以降、公的年金制度改革の議論が本格化する。国民年金に上乗せする厚生年金への加入拡大や、国民年金保険料の納付期間延長により、将来にわたり受給額をできるだけ手厚くすることが柱。長期的な給付水準を試算する5年に1度の「財政検証」を2024年夏に公表し、結果を踏まえ具体策を決める。25年の通常国会に関連法案提出を目指す。

 長生きする高齢者が増え、保険料を納める現役世代は減少。受給水準低下の歯止めが大きな課題だ。

 厚生年金の加入義務は全ての法人事業所にあり、フルタイムで働く人は対象。パートら短時間労働者は「勤務先の従業員が101人以上」などが要件だ。この要件は24年10月に51人以上となる。今後は同要件を撤廃するかどうかが焦点となる。

 個人事業所の加入義務は、従業員5人以上の金融・保険、弁護士・公認会計士といった17業種に限られ、宿泊や飲食などへの拡大を検討する。

 国民年金では、保険料納付期間を、現行の20歳以上60歳未満の40年間から、65歳になるまでの45年間への延長を議論する。

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