【秋華賞/騎手データ】ハーパー&ルメールJは馬券内率75%の“鉄板級” 想定11人気の大穴に「5割」の好走確率

10月15日は京都競馬場で3歳牝馬三冠の最終戦となる秋華賞(GI、芝2000m)が開催されます。

近2年は京都競馬場大規模改修工事のため阪神での施行でしたが、今年は2020年以来の京都開催。同年の秋華賞はデアリングタクトが牝馬三冠を達成していて、今年はデアリングタクト以来の牝馬三冠馬が誕生しそうですね。

今回は2021、22年の阪神開催を除く2000年以降の過去データを基に、気になる騎手データを見ていきましょう。

◆【秋華賞2023予想/穴馬アナライズvol.1】「リバティアイランドはじっくり追い出す……ならば」 想定“6人気”前後の刺客

■C.ルメール騎手が人気の牝馬に騎乗なら買い

今年の秋華賞に騎乗する騎手の中で、集計期間内に騎乗経験があるのは12騎手。各騎手のデータは次の通りです。

秋華賞騎手別成績(2000年~20年)

さすがにGIだけあってある程度の騎乗数があり、人気馬に跨る機会も多い騎手は限られます。今回は過去の騎乗数が6鞍以上ある騎手を中心に見ていきます。

まず取り上げるのが全12騎手の中で最も高い連対率33.3%を誇るC.ルメール騎手。

同騎手は2017年のディアドラ(3番人気1着)、18年のアーモンドアイ(1番人気1着)で集計期間内2勝を挙げていますね。1頭は歴史的な名牝アーモンドアイなため数字を鵜呑みにはできませんが、3番人気以内の馬に騎乗時は【2.0.0.1】で連対率66.7%ですから、やはり主軸級の扱いが必要でしょう。

なお、C.ルメール騎手は今年のGIで牝馬に跨った際は人気不問で【0.2.1.1】の連対率50%、複勝率75%。3連複の軸にピッタリです。

同騎手は今年の秋華賞で前日16時時点2番人気のハーパー(牝3、栗東・友道康夫厩舎)に騎乗予定。人気、性別とも熱い条件を満たしそうなため素直に買いと考えて良さそうです。

■武豊騎手は関西馬との組み合わせなら

続いてC.ルメール騎手に次ぐ連対率27.8%を記録する武豊騎手のデータを見ていきましょう。

同騎手は2002年のファインモーション(1番人気1着)、05年のエアメサイア(2番人気1着)で2度の勝利があり、全騎手で最多となる7回の馬券絡みがあります。ただし、複勝回収率63%のため買い時は見極めなければなりません。

見極めは簡単で関東馬は【0.0.1.5】連対率0%、複勝回収率38%に対し、関西馬は【2.3.1.6】連対率41.7%、複勝回収率75%。複勝回収率はややネックになるものの、連対率の高さは魅力ですね。

そんな武豊騎手が今年の秋華賞で跨るのが前日16時時点13番人気のソレイユヴィータ(牝3、栗東・杉山晴紀厩舎)。

人気は全くありませんが、関西馬なら押さえる価値がありそうですね。栗東の杉山晴紀厩舎は10月14日時点の全国リーディング首位です。

■川田将雅騎手は単穴で買いたいが…

続いて前日16時時点、単勝オッズ1.1倍の1番人気リバティアイランド(牝3、栗東・中内田充正厩舎)に跨る川田将雅騎手のデータを見ていきます。

2016年のパールコード(4番人気2着)、18年のミッキーチャーム(5番人気2着)で2度の連対がある一方で、19年は1番人気のダノンファンタジーで8着、20年は2番人気のリアアメリアで13着に敗れています。

上記4頭とも中内田充正厩舎の馬で【0.2.0.2】ですが、過去データからは本命・対抗級の人気よりは単穴級の人気で狙いたい騎手と言えるでしょう。

ただし、2020年以降のGIで当日の単勝オッズ1倍または1.1倍に支持された馬は障害戦も含めて騎手問わず【9.0.0.0】の勝率100%。オッズの範囲を1.2倍にまで広げてもその成績は【14.0.0.0】の勝率100%です。ここまでの数値が出ている以上、リバティアイランドと川田将雅騎手に逆らう必要はなさそうですね。

■穴メーカーなら池添謙一騎手

最後に連対率は低めも馬券絡みの多さが魅力の池添謙一騎手のデータを見ていきます。

2000年のヤマカツスズラン(7番人気2着)、13年のリラコサージュ(15番人気3着)で穴を開けたことがあり、一発の魅力を秘める騎手です。データを細かく見ていくと、ローズS出走馬に跨った際は【1.1.2.4】で連対率25%、複勝率50%を記録。先の2頭も該当するデータで、このパターンに合致するなら要警戒です。

同騎手はローズSの3着馬で前日16時時点11番人気のマラキナイア(牝3、栗東・吉岡辰弥厩舎)に騎乗予定。久々に大きな一発を見せられるか注目ですね。

以上、秋華賞の気になる騎手データでした。データ注目騎手はハーパーに跨るC.ルメール騎手です。

リバティアイランドに跨る川田将雅騎手との3連複2頭軸で、池添謙一騎手や武豊騎手が跨る穴馬数頭に流す馬券がおもしろそうです。

◆【秋華賞2023予想/穴馬アナライズvol.2】「ハーパーが人気なら、明らかに過小評価」 単勝オッズ“100倍”万馬券の使者

◆【秋華賞2023予想/穴馬アナライズvol.3】「マスクトディーヴァより、この馬に重い印を打つべき」 前日“8人気”前後の盲点

◆【秋華賞2023予想/追い切り診断】マスクトディーヴァに並ぶ高評価の伏兵 「使われてさらに迫力を増した感あり」

著者プロフィール

伊藤大輔(いとうだいすけ)●「UMAJIN.net」編集部
秋田県生まれ。スポーツ関連書籍出版社、競馬専門紙の勤務を経て、現在はUMAJIN .netでライティング、競馬データ解析等を担当。『SPREAD』では主観的要素の強い「馬体解析」と客観的なデータの蓄積である「騎手データ」から、注目すべき馬と騎手を取り上げていく。

© 株式会社Neo Sports