マルティンがスプリントで勝利し、ランキングトップに浮上。ドゥカティはコンストラクターズタイトルを獲得/第15戦インドネシアGP

 10月14日、MotoGP第15戦インドネシアGPのスプリントレースがプルタミナ・マンダリカ・インターナショナル・サーキットで行われ、ホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)が優勝を飾った。この結果、ドゥカティが2023年シーズンのコンストラクターズタイトルを獲得した。

 土曜日午前中に行われた予選では、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がQ1を突破できず、13番手に沈んだ。ポールポジションは、ルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)。MotoGPクラスにおける自身初のポールポジション獲得となった。

 2番グリッドはマーベリック・ビニャーレス(アプリリア・レーシング)、3番グリッドはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)というアプリリア勢で、4番手はファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、5番手がブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)、そして、チャンピオン争いを展開中のマルティンはセッション前半に転倒を喫し、6番手に並んだ。また、マルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は8番グリッドからのスタートである。

 スプリントレースは気温32度、路面温度57度のドライコンディションで始まった。1周目にトップを奪ったのはビニャーレスで、後方を引き離しにかかる。そんなビニャーレスを追いかけるのはポールポジションスタートのマリーニ。その後ろではマルティンとクアルタラロが、激しい3番手争いを展開する。

 ビニャーレスとともにこの週末、上位につけていたアレイシ・エスパルガロは6番手を走行していたが、2周目の16コーナーで5番手のビンダーをかわそうと、そのインサイドに入った際、スリップダウンを喫した。外側にいたビンダーも巻き込まれる形で転倒したが、ビンダーはレースに復帰、アレイシ・エスパルガロはリタイアとなった。

 5周目、マルティンがマリーニをかわして2番手に浮上する。この時点でバニャイアは8番手を走行している状況。マルティンとしてはバニャイアをチャンピオンシップのポイント差で逆転する絶好のチャンスだった。

 トップを走るビニャーレスはマルティンに0.7秒ほどの差を築いていたが、マルティンはじわじわとその差を詰め、8周目にはギャップが0.5秒を切るほどになった。9周目、マルティンがビニャーレスに迫ると、オーバーテイク。マルティンがトップに浮上した。

 2番手に後退したビニャーレスは明らかにラップタイムが落ちており、マリーニにもかわされて3番手にポジションダウンする。そのビニャーレスに、今度はマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が迫る。

 マルティンはビニャーレスをかわしたあと、トップを独走し、2位に1秒以上の差を築いて優勝した。日本GPのスプリントレース、決勝レースに続く優勝である。バニャイアは8位でレースを終え、この結果、マルティンがバニャイアを逆転してチャンピオンシップのランキングトップに浮上した。バニャイアは7ポイント差のランキング2番手に後退している。また、マルティンの優勝により、ドゥカティは2023年シーズンのコンストラクターズタイトルを獲得している。

 2位はインドネシアGPが怪我からの復帰戦であるマリーニ、3位には10月8日に骨折した右鎖骨を手術したばかりのベゼッチが入り、トップ3をドゥカティが独占した。4位はビニャーレス、5位はクアルタラロだった。マルク・マルケスは1周目に転倒を喫してリタイア。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は11位でゴールした。

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