「『アイシテルニイガタ』を聞きたかった」WEリーグ杯優勝逃したアルビレックス新潟L、指揮官は内容に満足 「本当に素晴らしい好ゲームだった」

[写真:©︎CWS Brains, LTD.]

アルビレックス新潟レディースの橋川和晃監督が2023-24WEリーグカップ決勝のサンフレッチェ広島レジーナ戦を振り返った。

創立21年目にして、皇后杯も含めて5度目のカップ戦決勝に臨んだ新潟L。90分を0-0で終えると延長戦でもゴールは生まれず、PK戦に突入。4人全員が成功させたS広島Rが4-2で勝利し、新潟Lはまたもクラブ初タイトルを獲得することができなかった。

試合後、橋川監督はまず両チームの戦いぶりを称賛。「両チームの選手たちがベストを尽くして、互いに良さを出し、良さを潰し合い、本当に素晴らしい好ゲームだったのではないかなと」と感想を述べた。

優勝に向け何が必要だったかを問われると、「勝負の神様は細部に宿る。そういった意味では1つ1つのプレーのクオリティを今後追求していくところかな」と回答。また、この試合を見て「WEリーグのポテンシャルが上がった」とも述べ、その理由を詳細に伝えた。

「まず、広島さん、他のチームもそうですけど、代表活動などいろいろあったにしろ、トップ3(INAC神戸レオネッサ、三菱重工浦和レッズレディース、日テレ・東京ヴェルディベレーザ)の牙城は崩していかなければならない。去年のリーグ戦での勝ち点差なんかもかなり大きかったと思います」

「そうは言いながらも我々と広島が上がってきたところはすごく良かったです」

「あとはハイプレスの中で、しっかりと攻防が繰り広げられているような形で、ボールを繋ぐっていうところです。若干ハイプレスをくぐられた後で、守備が乱れるところはあったんですけど、今日は0-0の試合でかなり広島さんも堅くて、私たちもそういう風なところを構築しようとしていて。簡単に引いて守るんじゃなくて、たとえ自陣にいても中からしっかり押し出す、プレスをしっかりかける」

「そういった攻守一体をしっかりする中で、うちの選手たちも道上だとか川澄だとか、クオリティのぶつけ合いを出していくと、さらに2ランク3ランク上がったようなゲームになるんじゃないか。そういった守備の中で先ほど私が言った、もう1つクオリティを追求していくっていう風なことをやっていかないと、今後勝ち点をしっかり積み上げられないなと実感したゲームでした。(大会を通じた)この6試合の中で実感しました」

タイトル獲得はならなかったが、PK戦の末の準優勝。等々力まで新潟の優勝を見届けにきた1500人の新潟Lサポーターに感謝の想いを伝えた。

「選手たち、すごくお客さんの入る数とかをいつも気にしているんですね。ファンサービスなんかもかなりやって、WEリーグのお客さんを、自分たちを見てくれる人たちをたくさん作るような努力をしてくれて」

「そういった中で、このお客さんの中で、ファン・サポーターの皆さんの中でできたことは大変選手たちが嬉しかったと思います」

「ただ観客の前で『アイシテルニイガタ』を聞きたかったね、っていうのは(あった)。あれを聞こうね、最後みんなで踊りたいねっていうのは叶わなかったので」

「ただこういうゲームを続けていって、1人でも多くの人たちがスタジアムに足を運んで選手たちを後押しして、さらに良いパフォーマンスを見に来て、こういう循環を作っていきたいなと思っています。そういった意味では今日駆けつけてくれたファンやサポーター、本当に嬉しかったですし、今後もぜひスタジアムに駆けつけてほしいなっていう風に思います」

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