京都・南丹のアーティストが小学校で授業「住んでいるところは何もないと言われるけど…」

生徒の質問に答える村山さん(南丹市日吉町殿田大貝・殿田小)

 京都府南丹市日吉町佐々江に拠点を置くアーティスト村山大明さん(34)が、同町殿田の殿田小で創作についての授業をした。児童らは、村山さんの描く動物や植物の緻密さに驚きの声を上げていた。

 村山さんはペンだけで動物の細かな毛並みを描き、豊かな質感を表現する作風が評判で、インスタグラムのフォロワー数は7万人を超す。授業は地元の達人を招く同小の取り組みで、6日に招かれた。

 高学年向けの授業では、繊維強化プラスチック(FRP)で成形して体毛を描き入れたタヌキや、動きだしそうなサンショウウオの作品を紹介。線をまばらに引いたり、重ねたりすることで動物の毛並みの質感を表現できることを伝授した。

 実際に花を描くワークショップもあり、6年生の女子児童(12)は「作品の細かさがすごい。線の描き方で柔らかさを出せることが分かって面白かった」とうなずいた。

 村山さんは「自分の住んでいるところは何もないと言われるけど、僕は鹿など動物を見ていて飽きない。子どもには地域のものをしっかり見て、描く楽しみにしてもらえれば」と話した。

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