8番アイアンで200yd超 “大砲”幡地隆寛がリミッター解除で規格外の一打

幡地隆寛は3日目に続いて最終日も石川遼との2サムで回る(撮影/村上航)

◇国内メジャー◇日本オープンゴルフ選手権競技 3日目(14日)◇茨木カンツリー倶楽部 西コース(大阪)◇7315yd(パー70)◇曇り(観衆5277人)

後半11番、ティショットを左ラフに入れた幡地隆寛は「刻みかな…」と思いながらセカンド地点に歩いていった。ボールが沈んでいないライこそ救いだったものの、2段グリーンの上部に切られたピンまでは200ydを超える距離が残っていた。

アイアンは2週前からマッスルバックに戻した(撮影/村上航)

ここで、ドライビングディスタンス上位常連の飛ばし屋にしか許されない思考が働く。「すごいヘッドスピードを出せば、もしかしたらフライヤーしてくれるんじゃないか」――。手にした8Iを振りちぎると、狙い通りにフライヤーしたボールがピンと同じ段まで届くスーパーショットになった。

フェアウェイキープ優先で3UTを多用する今週にあって、11番の一打は「どのティショットよりも、最大出力。もう、思い切り限界まで振りました」。右から5mを沈めるバーディにつなげた。

20m近いバーディパットを決める場面も(撮影/村上航)

「決勝ラウンドで回るのは初めて」という石川遼との同組で最も多いギャラリーを引き連れてラウンド。プロとしての喜びを感じながら、フラットなメンタルを心掛けた。前半6番で20m近いバーディパットを流し込んでも、11番で規格外のショットを放っても、16番でダブルボギーをたたいても、一喜一憂しないこと。要所の好プレーで見せた控えめなガッツポーズは、あくまで自然にあふれたアクションだったと笑う。

ポーカーフェイスを貫いて悲願の初優勝へ(撮影/村上航)

最終18番(パー5)のバーディで「69」にまとめ、首位と2打差の通算4アンダー3位に残って迎える最終日。同スコアで終えた石川との2サムも継続する。「ここ最近でもないくらい、気持ち的に落ち着いて回れている。最後はメンタル的な体力勝負になると思う。あしたもポーカーフェイスで、最後までブレずに頑張りたい」。仮面を脱ぐのは、悲願の初優勝をつかんだ時だ。(大阪府茨木市/亀山泰宏)

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