軟骨伝導イヤホン 難聴者らに配慮 福祉課窓口に試験導入 上越市

公明党の杉田氏がイヤホンを体験した

上越市は13日、木田第一庁舎の福祉課窓口に「軟骨伝導イヤホン」1台を試験導入した。来庁した高齢者や難聴者の会話をサポートする目的。同課を中心に、必要に応じて庁舎内の窓口で活用する。

同イヤホンは耳の軟骨を振動させることで音を聞く音響機器。一般的なイヤホンと同様に耳へ装着し、付属の集音器に入った音を増幅して使用者に届ける。音量や左右の耳に入る音のバランスを調整できるため、聞こえ方に合わせて使うことができる。

導入に向けては、山田忠晴上越市議(公明党)が9月定例会の一般質問で中川幹太市長に提案し、市が試験導入の準備を進めてきた。

この日は山田氏と同党の杉田勝典市議が同課を訪問。軟骨伝導イヤホンを体験した杉田氏は「音が拡大されて聞きやすい。耳の悪い人にとってありがたい装置」、山田氏は「導入により、誰もが同じ環境でやりとりができる『情報のバリアフリー』化が図られる。今後は他の窓口や各区総合事務所にも導入してほしい」と述べた。

市によると、県内の自治体における同イヤホンの導入は少数という。今後は使用者の声を聞き、台数や設置場所の増設などを検討するとした。

福祉課窓口に試験導入された軟骨伝導イヤホン

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