『THE FOOLS 愚か者たちの歌』(高橋慎一 監督作品)、伊藤耕の不慮の死に関する緊急記者会見の映像を記録した<完全版>の上映が決定!

今年1月より全国順次公開され、大反響を呼んだドキュメンタリー『THE FOOLS 愚か者たちの歌』。 このたび、ボーカル・伊藤耕の不慮の死に関する緊急記者会見の映像を記録した<完全版>の上映が、11月24日(金)〜12月7日(木)の2週間限定でシネマート新宿にて上映が決定した。

今年1月13日(金)より東京を封切りに全国順次公開された『THE FOOLS 愚か者たちの歌』。 1980年から活動するアンダーグラウンド・シーンを代表する伝説的なバンド、THE FOOLSの80年代、90年代、そして21世紀の歴史を追った壮絶なドキュメンタリーである。

本作を手掛けた高橋慎一監督は10代の頃から追い続けたTHE FOOLSに10年かけて密着、メンバーの人生と併走し、彼らが命をかけて残した愛と反逆の音楽と物語を映画に刻みつけた。 ドラッグによる度重なる逮捕やトラブル、相次ぐメンバーの病死、そして、覚せい剤取締法で服役中だった伊藤耕の獄中死。 その死因を「本人が何度も転倒するほど腹部の激痛を訴えていたにもかかわらず、適切な処置が施されなかったため」として伊藤の妻、満寿子さんが国を相手に損害賠償を求める訴訟を起こしていた。

以前上映された『THE FOOLS 愚か者たちの歌』製作時にはこの裁判の様子で幕が閉じられたものの、上映期間中の2月、訴訟の和解が東京地裁で成立。国側が請求額とほぼ同額の4300万円を支払うこととなった。 しかし、伊藤が刑務所内でどのような扱いを受けたのか、その実態がきちんと報道されることはなかった。 この判決の社会的意義の大きさを考え、3月にDOMMUNEにて開かれた緊急記者会見【伊藤耕(THE FOOLS)はなぜ刑務所内で死んだのか】。 今回上映される<完全版>はこの緊急記者会見の映像を一部抜粋し、追加したものとなる。

映画に刻みつけられた、数十年に渡るTHE FOOLSの歴史と、剥き出しの魂のままに確かに生きた男たちの姿、心を震わせる音楽や言葉の数々。 この世界で、人はなぜ生きるのか。生きるとはどういうことか。 愛と自由、生の意味や尊さを観る者に突きつけ、そしてこの社会に暗く浸透する問題に眼差しを当てる究極の作品が『THE FOOLS 愚か者たちの歌<完全版>』だ。

高橋慎一監督のコメント /『THE FOOLS 愚か者たちの歌』完全版の上映に向けて

今年の1月から公開が開始された『THE FOOLS 愚か者たちの歌』は、監督である僕の思惑を越え、音楽ファン、ロックファンだけでなく、本当に多くの人々が劇場へと足を運んでくれました。

公開から3週間後、THE FOOLSのヴォーカリスト伊藤耕さんの、刑務所内での不審死を巡る裁判が『勝利的和解』となり、それをきっかけに映画に関心を持ってくれる方々も多く現れました。

この『勝利的和解』が報道されて以来、僕の元には「映画では描かれていないこの事実を、きちんと報告する新しい版を製作して欲しい」とのメッセージがたくさん寄せられました。

存在を失って尚、世間に問題提起を突きつけるTHE FOOLSと伊藤耕。劇的な裁判の結果を報告する映像を加え新たに上映することは、自由に転がり続けた彼らを記録する映画にふさわしいやり方だと感じています。

『THE FOOLS 愚か者たちの歌 <完全版>』ぜひご鑑賞ください。

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