取り組みの背景と目的
近年、ミズナラ等が集団的に枯損する「ナラ枯れ」が全国的に発生し、その対策が課題だ。枯死した樹木を立木のまま放置することで、周辺の別の木に被害が広がったり、倒木などの危険が発生したりするため、早期の対処が必要となる。
所沢市では、広大な森林緑地内に職員が足を運び、枯死木調査を行っているが、業務量など課題があり、効率が良く有用性のある調査方法を検討していた。NTT東日本は、所沢市よりこの課題についての相談を受け、以前から森林調査ソリューションにおいて連携しているDeepForest Technologiesの技術を活用した課題解決を所沢市へ提案した。
所沢市における枯死木調査においても、ドローンで撮影した画像データと「DF Scanner」によるAI解析が有効であると想定し、3者で連携して実証を行うこととした。このような汎用的な市販ソフトウェアを用いた枯死木調査の実証実験は国内初の試みだ。
「DF Scanner」は一般的なデジタルカメラを搭載した安価なドローンで撮影した画像データでも樹木の状況を解析できるため、本取り組みの実用有効性が確認された場合、市販ソフトウェアと一般的なドローンで撮影した画像による再現性のあるソリューションの提供が可能になり、他の自治体様においても森林管理における職員の稼働とコストの大幅な削減が期待され、森林保全活動を迅速かつ確実に推進できるという。