セコム、セキュリティドローン「セコムドローンXX」を開発。AIを活用して巡回・侵入監視を行う日本初ドローン

セコムは2015年12月に、敷地内への侵入があった際に不審者を自律飛行で追跡し、その映像をセコムのコントロールセンターに送信して迅速・的確な対応につなげる、民間防犯用「セコムドローン」を実用化。契約先の敷地内において、レベル3飛行による商用サービスを日本で初めて実現し、約8年もの間、運用実績・ノウハウを積み上げてきたという。

新しく開発した「セコムドローンXX」は、その「セコムドローン」の機能をさらに進化させた。新たに人や車両を検知する画像AIを搭載し、監視員が不審者・不審車両と判断して指定した物体を自動で追跡・撮影する。

飛行時間・速度を大幅に向上させ、最大で半径約6kmのエリアを警備可能。また、耐風性能を高め、赤外線カメラも搭載しているため、悪天候や夜間の監視能力も格段に向上した。LTE通信等を使用できるので敷地内へのWi-Fi通信設備の設置が不要で、より低コストで容易に導入できるようになった。

新たに開発した格納庫では、ドローンの格納・離着陸・バッテリー交換/充電、機体のセルフチェックを全自動で行います。バッテリーを自動で交換できるため、短時間で次の飛行を実施できます。

セコムドローンXXは、これらの特性を活かし、あらかじめ決められたルートを飛行し安全確認を行う「巡回監視」、敷地内に設置してあるセンサーや監視カメラが検知した侵入者を追跡する「侵入監視」を提供する。また、公共施設の点検業務や災害時の安全確認、河川の見回りなど、セキュリティにとどまらず、さまざまな用途に活用いただくことが可能だ。

なお、セコムドローンXXは防衛装備庁の新技術短期実証事業「ドローン等を用いた監視・検査の自動化・効率化」で実証した内容をベースにしており、航空自衛隊、海上自衛隊の防衛施設向け監視システムの現地実証試験も進行しているという。

セコムドローンXXの特長

画像AIを活用した多彩な機能

「巡回監視」では、あらかじめ決められたルートを飛行し、巡回中に侵入者を発見した場合は対象者を指定することでドローンが自動で追跡。

巡回監視

「侵入監視」では、外周センサーが敷地内への侵入を検知すると、ドローンが飛び立ち接近。AIで侵入者を検知し、対象者を指定すると自動で追跡するとともに、映像をリアルタイムで確認できる。

侵入監視(センサー連動)

また、監視カメラとの連動も可能で、防災センター等で監視カメラ上に不審者を発見した場合、対象者を指定してドローンに急行・追跡させることも可能だ。

侵入監視(監視カメラ連動)

機体性能を大幅に向上

飛行時間は約2倍、最高速度は約4倍と従来の「セコムドローン」から大幅に向上し、従来の約50倍の広さとなる、最大で半径約6kmのエリアを警備することが可能となりました。耐風性能も上がり、悪天候下でも利用できる。

また、従来の「セコムドローン」では敷地内のドローン飛行エリアにWi-Fi通信設備を設置する必要があったが、データ通信にはキャリアLTE通信等を使用することで、Wi-Fi通信設備の設置が不要となり、より低コストで容易に導入できる。

セコムグループで地理空間情報サービス事業を担う株式会社パスコが提供する3次元立体地図を活用することで、斜面や建物が並んでいる複雑な地形でも対応可能。

ドローン格納・離着陸・バッテリー交換/充電まで全自動、柔軟で高品質な警備運用を実現

新たに開発した格納庫では、ドローンの格納・離着陸・バッテリー自動交換/自動充電、機体のセルフチェックを全自動で実施できる。

また、従来の「セコムドローン」では再飛行まで約2時間の充電時間を要していましたが、自動でバッテリーを交換する方式としたことにより約3分で再飛行できるようになり、より柔軟性に富み高品質な警備運用が可能だ。

ドローンが捉えた映像はリアルタイムで防災センター等に送信するとともに、より高画質な映像をドローン内部に蓄積します。現地の防災センター等では状況をリアルタイムに確認した迅速な判断・対応ができ、セコムのセキュリティシステムを導入している場合は、セコムの画像センターでもリアルタイムで映像を確認し、必要に応じて緊急対処員が駆け付ける運用も可能。

また、ドローン内部に蓄積した高画質映像は、ドローンが帰還した後に格納庫を介して防災センターに送信されるので、巡回監視・侵入監視中に発生した事案の確認・解決に役立てることができる。

「セコムドローンXX」のスペック

格納庫の概要・スペック

「セコムドローンXX」の格納・離着陸・バッテリー自動交換/自動充電・機体のセルフチェック機能を持つ格納庫だ。

離陸する際は六角形の格納状態から、上部の自動開閉式屋根が放射状に展開し、リフト機構でドローンを持ち上げ、離着陸台を自動で展開する。ドローンが飛行から戻ってくると、着陸後にはドローンの位置を自動で修正し、格納する。

格納後は自動でドローンのバッテリー交換を行い、短時間で次の飛行を実施が可能。飛行前のセルフチェックも定期的に実施する。

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