広島市の基町高校で、ことしの「原爆の絵」の制作に向けて、高校生と被爆者が顔合わせをしました。
「原爆の絵」は基町高校の生徒が被爆者の証言を聞きながら毎年制作していて、今回で17回目になります。
16日は、16人の生徒が6人の被爆者から原爆投下当時の状況を聞きました。
5歳のときに爆心地から2.2キロの舟入川口町で被爆した 石橋紀久子 さん(83)です。今回、初めて自身の被爆体験を絵にしてもらうことを決め、原爆投下直後に家の前で見た全身に火傷をして歩く親子など、当時の惨状を絵にしたいと伝えました。
石橋紀久子 さん
「生きている人間が原爆の怖さを言わないと死んだ人は浮かばれないでしょ。がんばって話をしようと思ったのが80歳の時」
基町高校1年 中原雅 さん
「必死に伝えてもらったからそれを自分のできる限りで絵にして恩返ししたい、形にして後世に残したいと決意した」
生徒たちは今後も被爆者と対話を重ねながら、少しずつ絵を描いていき、来年の夏に完成させる予定です。