「平和のメッセージを世界に」 イスラエル・ガザ地区に派遣された広島の医師語る

イスラエルとイスラム組織「ハマス」による戦闘は5日目を迎え、双方の死者は合わせて1900人を超えています。

対立が続いているイスラエルとパレスチナ自治区のガザ地区です。

パレスチナ自治区は2カ所ありますが、ガザ地区はこちら西側で長さおよそ50キロ、幅3キロ~5キロの細長いエリアに約220万人が暮らしているといわれています。

今も戦闘状態が続いていて、医療施設なども破壊されていると伝えられています。

2年前にガザ地区に派遣され、現地で医療活動に携わった広島市の医師にお話を伺いました。

広島市安芸区の医師、西岡憲吾さんは「国境なき医師団」の一員として、これまでにガザ地区には2回派遣され医療活動にあたりました。

RCC小林康秀キャスター
「2年前にガザに入られたということだが、当時の状況は?」
国境なき医師団 西岡憲吾医師
「医療施設もあるが足りない状況で、フォローアップも十分出来ていない患者もいた」

RCC小林康秀キャスター
「今回の戦闘についてどういう状況?」
国境なき医師団 西岡憲吾医師
「患者を搬送するのも難しいし、国境も閉ざされているので医療物資の搬送確保も大変みたい。かなり昔は激しい状況でスタッフも防弾チョッキやヘルメットで動いた時期もあったらしいが、今回はそれ以上の状況。先が見えない、どこにいても安心できない、どこにいても怖い状況。軍事施設を標的にしていると言いながら、巻き込まれたりする子供たちや女性もたくさんいるので一番可哀想なのはそうした一般人の方。現地で一緒に働いた仲間もたくさんいるので、今回連絡をとってみたが、ネットでの返信がない。被災したのか、ネット環境が悪くなったのかわからないが心配している」

RCC小林康秀キャスター
「イスラエルは核保有国だが、核を使用する可能性は?」
国境なき医師団 西岡憲吾医師
「隣接の国なので使用することはないと思うが、それを切り札にするのは広島人としては避けて欲しい」
(広島から出来ることは?)「広島としては平和を願うしかない。戦闘を終わらせるように国からのサポートもあってもいいと思うし、世界中に向けての情報発信、平和的な解決を望むような主張や意見を広島から世界に発していければ」

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