「しかるべきタイミングでお諮りする」「議会軽視の姿勢があからさま」川勝平太知事 の“新構想”発言めぐり 深まる自民会派との溝

川勝平太静岡県知事の不適切発言をめぐり、異例の事態の連続となった静岡県議会9月定例会は10月13日、閉会しました。川勝知事の給与減額は実現することになりましたが、川勝知事の新たな三島での構想についての発言により、議会との溝は深まる一方です。

【写真を見る】「しかるべきタイミングでお諮りする」「議会軽視の姿勢があからさま」川勝平太知事 の“新構想”発言めぐり 深まる自民会派との溝

<坂口将也記者>
「川勝知事が新たに発言したのは、ここ、三島での構想についてです。県内で開催中の文化事業の継承拠点となる施設を新幹線の止まる三島市につくりたいという内容です」

川勝知事が起こした新たな火種は、三島をめぐる問題です。川勝知事は、県議会最終日の前日、県議会に諮られていない静岡県三島市での新たな構想を外部との懇談会で語りました。

新たな構想は、県内で開催中の日中韓による文化事業「東アジア文化都市」の発展的継承センターをつくるというもの。関係者によりますと、複数の候補地が挙がっていて、まだまだ不確定要素が多いということです。

<自民改革会議 河原崎聖県議>
「今回の知事の発言は、議会軽視の姿勢があからさまになったと受け止めざるを得ませんが、知事ご自身の認識について伺います」

<川勝平太知事>
「当然のことながら、しかるべきタイミングで県議会でお諮りいたします」

議会に事前の報告なく、川勝知事が発言したことを受け、最大会派の自民改革会議は「議会軽視」だとして、異例の緊急質問を行う事態に発展。

<自民改革会議 河原崎聖県議>
「知事がこれまで本会議や委員会の中で繰り返し述べてきた議会とのコミュニケーションを密にしたいとの発言は何だったのか」

<川勝平太知事>
「議会のみなさまとコミュニケーションを図る努力をしていくというように答弁したわたしの考えは変わっていません」

県議会9月定例会では、川勝知事のいわゆる「コシヒカリ発言」を受けた給与減額の条例案は付帯決議とともに可決され、2年間にわたる「給与減額問題」には区切りがつきました。

しかし、新たな火種となった発言については・・・。

<川勝平太知事>
Q.知事は不用意であったとの認識は?
「いいえ、これは東アジア文化都市に関わること。不用意ではなくて、要請に対して、こちらのいまやっていることをお答えした」

こうした川勝知事の姿勢について、緊急質問を行った自民改革会議は・・・。

<自民改革会議 増田享大代表>
「知事のひとり相撲とずっと思っているが、自ら発信した失言と失言の後の説明や対処の仕方、発言もすべて混乱の原因になっていて、それを忠告する意味で付帯決議をつけたが、どこまでわたしたち全議員の思いが届いているのか非常に疑問に感じている」

県議会では、今後、委員会などで川勝知事が新たに発言した三島市での構想について調査する方針です。

不適切発言を発端とした“給与減額”は実現することになりますが、またも自らの発言で、川勝知事は議会との関係をこじらせることになりました。

© 静岡放送株式会社