強豪の日大アメフト部、存続危機 「廃部やむなし」の声も

8月、日本大アメリカンフットボール部員が逮捕され、記者会見する林真理子理事長=東京都千代田区

 日本大は「部員1人による個人犯罪」としてきたが、複数の部員が逮捕されたことで、アメリカンフットボール部に違法薬物がまん延していた可能性が否めなくなった。甲子園ボウル21度制覇の強豪校は存続の危機に直面することが避けられない情勢だ。

 日大の沢田康広副学長は8月8日の記者会見で部の存続を問われ「複数、多数が(違法薬物に)関わっていたら、それを前提に考えなければならない」と答えた。日大関係者もかねて「このまま続けていいのか。廃部やむなしという声もある」と明かしていた。

 1959年から2003年まで監督を務めた故篠竹幹夫氏は厳しい指導と管理で、部を「大学スポーツの雄」に育て上げた。しかし18年、社会問題化した「悪質タックル」が起きる。内田正人監督(当時)らが暗に指示したことに選手が従ったこの問題を教訓に、立命館大OBの橋詰功氏が外部招聘された監督として再建に乗り出したものの21年夏、わずか3年で交代した。

 昨年就任した中村敏英監督は日大OBで、部の体質を根本的に変革するには至らなかった。

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