ガザ支援物資、搬入できず イスラエル軍、攻撃を優先

16日、パレスチナ自治区ガザの病院に運び込まれる子ども(ゲッティ=共同)

 【エルサレム共同】イスラエル軍とイスラム組織ハマスが戦闘を続けるパレスチナ自治区ガザで16日、エジプト境界にあるラファ検問所が再開せず、支援物資を搬入できなかった。ロイター通信によると、検問所のガザ側で軍の空爆があり、検問所が使えないという。イスラエルはハマスへの攻撃を優先し、人道危機の拡大が懸念される。死者は計4100人以上となった。

 ハマスの報道官は16日、通信アプリのテレグラムに、ハマスが人質として拘束していると主張する女性の映像を投稿した。ハマスが人質の映像を公開するのは初めて。女性が治療を受けたり、家に帰りたいと話したりする様子が映っている。報道官は人質の数が200~250人で、22人が軍の空爆で死亡したと主張。軍は人質について199人と発表している。

 イスラエルのネタニヤフ首相は16日にハマス掃討への決意を示す一方「勝利には時間がかかり、困難な瞬間もあるだろう」と述べ、戦闘長期化の可能性を示した。軍はガザ北部住民に南部への避難を強要し、本格的な地上侵攻の準備を進めている。

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