坂本花織、貫禄の演技で圧勝 フィギュア全兵庫選手権 地元の大会に愛着「出られるときは出たい」

全兵庫フィギュアスケート選手権でフリー演技を終え、客席の声援に応える坂本花織=尼崎スポーツの森

 フィギュアスケートの全兵庫選手権最終日は15日、尼崎市の尼崎スポーツの森であり、選手権女子は坂本花織(シスメックス、神院大出身)が合計222.39点で3年ぶりの優勝を飾った。前日のショートプログラム(SP)は78.15点で首位に立ち、フリーも1位の144.24点を記録し、4連覇した2020年以来の出場となった同選手権を制した。

 貫禄たっぷりだった。世界選手権2連覇中の坂本はフリーで、「ペース配分を間違えた」と後半は苦しそうな表情を浮かべながらも、スピード感あふれる演技を披露。ジャンプでは後半のフリップ-トーループの連続3回転が回転不足になったが崩れず、2位以下を圧倒した。

 今月始まるグランプリ(GP)シリーズがカナダでの第2戦からの参戦となって日程に余裕が生まれ、3年ぶりに出場。「試合を積んで良くなっていくタイプなんで」とコンディションを高める実戦を求めつつ、「出られるときは出たい」と地元大会への愛着も強調した。

 9月末に大学を卒業して2週間。「朝練、夜練は変わらずあるけど、それ以外は一般(利用の時間)で演技を滑ったり、体のケアに時間を使ったりとかで、本当にスケートのための生活になったかなと思う」と競技に専念できる利点を語る。

 昨年の北京五輪後は「燃え尽きて、苦しい思いをした」という23歳の世界女王。「(今は)それがなくて気持ちが前向き。この状態のまま、シーズン最後までいけたらなって」と飛躍を誓った。(初鹿野俊)

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