養蜂の「蜜切り」最盛期 親子ら見学「お花の味」に笑顔 長崎・五島

切り分けた巣箱に、ぎっしり詰まった蜂蜜=五島市富江町

 長崎県五島市富江町の「蒼い森の工房」で、ニホンミツバチの巣箱から蜜を採取する「蜜切り」の作業が最盛期を迎えている。15日は、親子連れなど約20人に作業を公開した。
 代表の江川一眞さん(64)は約10年前に作り始め、2019年に直売所をオープン。毎年春にミツバチを巣箱にすまわせ、9~11月にミツバチが集めた蜜を採取する。極力手を加えない製法で濃厚な味わいの蜂蜜を販売している。
 五島の自然や蜂蜜づくりに関心を持ってもらおうと、蜜切りの見学を企画。ミツバチを傷つけないように巣箱の外側をたたいて追い出し、切り分けた。蜜がぎっしり詰まった断面に参加者は歓声。2センチ四方に刻んだ巣蜜を頰張った。
 母親らと訪れた市立福江小5年の浦川凜さん(11)は「(巣蜜を)そのまま食べてこんなに甘いとは知らなかった。お花の味がした」と笑顔。江川さんは「夏場の暑さの影響か収穫量は昨年よりやや少ないが、味は申し分ない」と語った。蜜切りは11月まで続く。

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