桓武天皇には複数の妻がいた 政権安定のための後宮制度をひもとく

歴史講座で桓武天皇の後宮について解説を聞く参加者(長岡京市)

 長岡京を遷都した桓武天皇の人物像を学ぶ歴史講座が14日、京都府長岡京市神足2丁目のバンビオ1番館であった。元市埋蔵文化財センター理事が講師を務め、複数の妻がいた理由や後宮の制度改革について説明した。

 市生涯学習団体交流室が、市民のニーズに合わせて催す「わくわく講座」の一環で開いた。

 長年、長岡京跡の発掘や史料の調査を手がけた小田桐淳さんは「桓武天皇とその妻子」をテーマに講演。文献を基に、桓武天皇が政権安定のために多くの有力貴族の子女と婚姻関係を結んでいったことを説明した。

 当時の制度では、天皇の妻に対する物品の支給は同じ官位を持つ男性より少なかったと指摘。小田桐さんは「(妻たちの生活を守るため)それまでの後宮にはなかった『女御』制度を確立するといった改革を行った」と強調した。参加者45人はメモをとりながら聞き入っていた。

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