相談室使えず「人権侵害」 松葉づえ男性が不服審査請求

京都地方法務局=17日午後、京都市上京区

 昨年4月、相談に訪れた足が不自由で松葉づえを使う男性(56)=京都市=を立たせたままにした京都地方法務局(同市上京区)の対応について、大阪法務局が人権侵犯と認定した問題で、相談室を使わせなかったことは人権侵犯に当たらないとした決定を不服とし、男性が法務省に審査請求を申し立てたことが17日、男性への取材で分かった。

 男性は、二つある相談室は当時いずれも空いていたのに、頭を何度下げても使用は認められなかったと主張。「他部署の職員らも出入りするカウンターでプライバシーに関わる相談をさせられた。国民の税金で設置された相談室を利用させないのは人権侵害だ」と訴えている。

 京都地方法務局は取材に「個別具体的な内容は答えられない」とした。

 男性や同局によると、男性は昨年4月、診療所の受診に関する相談のため人権擁護課を訪問。約10年前に骨折した後遺症で松葉づえを使っており、「座りたい」「相談室を使いたい」と繰り返し求めた。

 だが職員は聞き入れず、カウンター越しに30分以上立ったままの状態で対応させられた。

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