村田浮立(鳥栖市)初の女児参加 太鼓と笛に4人、200年の伝統に新たな歴史

伝統の所作を繰り返し、太鼓たたきの大役を担う中川心都さん=鳥栖市

 鳥栖市の重要無形民俗文化財「村田浮立」が15日、同市村田町と江島町の氏子によって奉納された。江戸時代の大名行列の様式を残す行列浮立と獅子舞浮立で構成される祭りで、約200年の歴史で初めて女子児童4人が参加し、秋の実りに感謝し無病息災を願った。

 本宮の村田八幡神社から下宮の江島町石王社まで約1.5キロの道のりを獅子、はぐま、太鼓、鉦かねや2基のみこしなどによる行列が下り、石王社で2頭立ての獅子舞を奉納した。

 総勢100人以上が参加する祭りに、これまで女性が加わることはできなかった。ただ、近年は人集めに苦労しており、「大切な祭りをこれからも継続させたい」と今年は女子児童にも呼びかけたところ、太鼓たたきと笛に4人が加わった。

 2人しかいない太鼓たたきを担った中川心都さん(旭小3年)は「練習も楽しかった」と話し、伝統の所作を繰り返しながら太鼓を打ち続けた。初めてなので女性の笛役の衣装は決まっておらず、浴衣姿で参加してもらうことにした。

 4人の児童について古賀嘉道村田町区長(76)は「毎晩の練習にもみんな笑顔で喜んで参加してくれた。思い切ってお願いして本当に良かった」と話していた。(樋渡光憲)

浴衣姿で道行きの笛を奏でる女子児童たち=鳥栖市

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