「ふるさと納税」に若者の力を活用!福山市の学生がパンフレットを制作

「ふるさと納税」の2022年度の寄付総額は、3年連続で過去最高を更新し、総額は1兆円近くに達します。特集で取り上げるのは、返礼品に添えて送るパンフレットの製作に参加した学生たちです。

10月3日、福山市役所でパンフレットの郵送作業が始まっていました。「ふくやま福さがし」と名付けたこの冊子には観光地・鞆の浦や、特産品のデニムに関する記事を掲載。福山市にふるさと納税で寄付をした人に返礼品とともに送ります。

■福山市情報発信課 卜部幹基 主事

「福山市がこんなに魅力にあふれたある街なんだと知ってもらうきっかけになればと思う。」

記事を書いたのは、福山市立大学で学内の広報誌などを手掛けるサークルの8人。福山市からの依頼に応えました。取材に訪れたのは、福山を代表する観光地鞆の浦にある国の重要文化財「太田家住宅」です。

■鞆保命酒協同組合 岡本純夫 理事長

「(鞆の浦が)交通の要所であったためたまたまここの場所で始まった保命酒が全国へ出るようになった。」

「太田家住宅」は、江戸時代から作られていた薬用酒「保命酒」のかつての蔵元。

学生たちは、この由緒ある建物で当時の製造方法などについて聞きました。

■学生

「2階は何かあるのか?」

■鞆保命酒協同組合 岡本純夫 理事長

「2階はお米を冷ますところ」

疑問点があれば質問し、理解を深めようとする学生たち。ほとんどが1年生で取材経験も豊富ではありませんが、懸命にメモを取ります。

■山本真琴さん

「こんな感じです。保命酒について全然知らなかったので知らなかった部分をまとめた。」

■佐久間壱聖さん

「(これからの取材は)積極的に質問していきたい。まだできていないので。頑張っていきたい。」

同じ鞆の浦で金属部品の製造を手掛ける「三暁」です。学生たちは、フライパン作りを体験出来るこの施設で、実際に材料の鉄板を叩いて、記事作成にいかします。

■佐久間壱聖さん

「始めの方は本気で叩いていた。楽しいですね。」

■カメラマン

「はい、チーズ」

次は、デニムについての取材です。福山市は、デニム生地の生産量日本一を誇ります。

訪ねたのは、福山市駅家町にあるデニム生地の製造会社篠原テキスタイル。社長の地元ならではの説明に、耳を傾けます。

■学生

「アメリカとは違った製法はあるのか?」

■篠原テキスタイル 篠原 由起 社長

「作り方はほぼ一緒。それを突き詰めていったのが日本。アメリカ産のデニム生地はほぼなくてブラジルとか、メキシコに(生産が)移っている」

そして取材の最後は、工場見学。工程を見ながら、どんな記事を書けるのか思案の様子です。

■篠原テキスタイル 篠原 由起 社長

「地元の産業を地元の学生たちが知って、その上で周りの人に届けようとしていることはデニムの産業の発展にもつながるし、どんどん続けてほしい」

学生たちが書いた記事は、パンフレットの制作などを手掛ける広告会社が添削。記事や写真の割り付けも、検討を重ねます。

■デニムについての記事作成 沖政美蒼さん

「デニムは日本だけでなくいろいろなところで作られているが、福山のデニムがどうしていいのか、自分なりに取材して感じたことを交えながらまとめたのがこだわり」

そして、取材からおよそ2か月。パンフレットの完成です。手にした学生たちは。

■学生たち

「おお、いいなあ」

「これも自分の(記事)から結構読みやすく変わっている」

「ここをこのくらいあけるんだなと思った、見やすくなっている」

次回にいかす為に、自分たちの記事がどのように直されたのかを確認します。

■古谷啓斗さん

「手間をかけて考えた文が使われていて、しかも文法もきれいに直されていて、すごくこのパンフレットに関わった実感がわいた。(福山は)知られていないけど魅力がある街だとこのパンフレットを通じて知ってもらえたら」

学生たちが、地元・福山をPRするために作ったパンフレットは、1万部を印刷。学生にとっては、記事を全国に発信する、またとない機会でもあります。

【2023年10月17日 放送】

© 広島テレビ放送株式会社