<レスリング>「何度でも挑む!」…谷津嘉章(日本障がい者レスリング連盟)が10.21全国社会人オープン選手権(埼玉・富士見市)へ出場

 

 糖尿病で右脚を失いながら、マットでの闘いに情熱を燃やす1976年モントリオール・オリンピック代表の谷津嘉章(日本障がい者レスリング連盟)が、10月21日に埼玉・富士見市立市民総合体育館で行われる全国社会人オープン選手権の男子フリースタイル97kg級にエントリー。7月1日の全日本社会人選手権に続いて大会出場を果たす。

 同選手は右脚を失ったあと、障がい者のためのレスリング確立を目指して活動。今年1月の全日本マスターズ選手権(千葉・佐倉市)でエキシビションマッチを行い、7月の全日本社会人選手権に出場した。片脚のない体ではきつく、初戦でテクニカルスペリオリティ(テクニカルフォール)負けしたが、気持ちを途切れさせることなく2度目の挑戦を決意した。

▲健闘むなしく初戦敗退だった全日本社会人選手権。しかし、情熱は衰えていない

 前回は、初の挑戦ということで気合が入りすぎ、高校生相手にかなりの練習を積んだという。そのためオーバーワークだったそうで、試合のあと、頚椎(けいつい)とひざの痛みを感じて入院した。その反省から、今回は練習量を落としたそうだ。

 「どっちみち勝てないんだから、無理しない(笑)。出ることに意義がある、と思うことにした。1点でも取ることが、普通の選手のフォール勝ちに相当すること。テクニカルポイントを取ることを目標にしたい」と話した。

 また、日本障がい者レスリング連盟を日本協会の傘下連盟に認めてもらうためにも、「活動することが大事。連盟をつくって何もやらなければ、絵に書いた餅。『ここまでやるのか』と思ってもらえるほど活動をアピールします」と言う。ルールやトレーニング法など障がい者のためのレスリングを確立するためにも、試合をすることが大事とも訴えた。

 今大会の同級は7選手出場のノルディック方式で行われる。谷津のブロックには鹿児島国体3位の二ノ宮寛斗(不二精機)の強豪がいるが、リーグ戦なので2試合をこなすことになる。

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