【シンガポール】中小企業業況指数、3期連続で景況悪化領域[経済]

シンガポールのOCBC銀行が発表した2023年7~9月期(第3四半期)の中小企業業況指数「SMEインデックス(SMEI)」は49.6となった。前四半期からは0.6ポイント上昇したものの、景況改善と悪化の分かれ目となる50を3四半期連続で下回った。

SMEIはOCBCと取引がある10万社以上の中小企業(年間売上高が3,000万Sドル=約32億円=以下)の売り上げ、キャッシュフロー、取引などのデータに基づき算出する。指数が50を超えると「景況改善」、50を下回ると「景況悪化」となる。

業種別では、飲食が51.1、教育が51.0、小売りが50.9、建築・建設が50.8と好調だった。一方、運輸・物流が46.9、卸売りが47.9、情報通信技術(ICT)が48.6と引き続き低迷し、全11業種中6業種が景況悪化領域となった。

OCBCグローバル・コマーシャル・バンキング部門責任者、ライナス・ゴー氏は「外部経済における逆風が続いており、SMEIは10~12月期(第四4半期)も縮小傾向が続く」との見通しを示した。世界的な電子産業の減速に伴い製造業や貿易関連分野の成長は引き続き抑制される一方、インバウンド観光の増加と季節要因による支出増が消費分野の成長を促し、経済全体を引き上げると付け加えた。

向こう6カ月の業況見通しについては、回答した1,400社超のうち49%が「改善」、38%が「横ばい」、13%が「悪化」と予測。前四半期の調査からほぼ変わらなかった。

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