熱い炭の上素足で渡る 小矢部・慈光院で火渡り法要

熱い炭の上を素足で渡る参拝者=小矢部市西町の慈光院

 小矢部市西町の真言宗白馬山慈光院で17日、火渡り法要が営まれ、参拝者らが熱い炭の上を素足で渡り、無病息災や家内安全などを願った。

 境内に組まれた護摩(ごま)壇に火が付けられ、願い事を記した木札「添え護摩」が投げ込まれた。燃え殻は竹の棒で砕かれ、事前に敷き詰めた炭の上に広げられた。

 引き続き、導師の福江秦祐(しんゆう)住職らが不動明王の真言を唱えて炭の上を歩いた。煙の立ち上る中、信者や参拝者が合掌しながら続き、水で足を冷やした。昨年に続いて参加した石動小5年、福江悠大君(10)は「意外と熱くなく、何とか歩くことができた。来年も参加したい」と話した。

 火渡りは修験者が行ったとされる荒行で、「柴燈(さいとう)大護摩法要」と呼ばれ、慈光院では昭和10年代から行われている。火渡りに先立ち、大般若波羅密多経(だいはんにゃはらみったきょう)600巻を開いて祈祷(きとう)する転読会(てんどくえ)も行われ、秘仏「大元帥(たいげんすい)明王」が1年ぶりに開帳された。瞑想や座禅を無料で行える「阿字観(あじかん)体験」が今年初めて企画された。

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