長崎被爆2世訴訟、結審 「被害者を広く救済する判断を」 来年2月29日に判決 福岡高裁

 長崎原爆の被爆者を親に持つ被爆2世の援護を国が怠っているのは違憲だとして、2世ら28人が国家賠償を求めた訴訟の控訴審第2回口頭弁論が17日、福岡高裁(高瀬順久裁判長)であった。原告側が「被害者を広く救済する公正な判断を」と訴え、結審した。判決は2024年2月29日。
 意見陳述で崎山昇原告団長(65)は、原告の一人が今年がんで亡くなったことに言及し「2世は過去と現在の健康障害に苦しみ、将来の健康不安におびえている。原爆の人権侵害の最たる一つが放射線の次世代影響」と強調した。一方で国側は一審と同様に、原爆放射線による2世への遺伝的影響は確認されていないと主張した。
 長崎と広島の被爆2世らによる集団訴訟の一つ。昨年12月の長崎地裁判決は、2世への遺伝的影響については知見が確立していないことなどから、2世に法的援護がない現状は憲法違反に当たらないとして原告側の請求を棄却した。

© 株式会社長崎新聞社