参院選3.03倍「合憲」 1票の格差、最高裁大法廷

「1票の格差」訴訟の最高裁判決を受け「格差是正要求付合憲」などと書かれた紙を掲げる升永英俊弁護士(中央)ら=18日午後、東京都千代田区

 「1票の格差」が最大3.03倍だった昨年7月の参院選が投票価値の平等を求める憲法に違反するかどうかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・戸倉三郎長官)は18日、格差を合憲と判断した。二つの弁護士グループによる選挙無効の請求を退ける判断が確定した。

 判決は国会で一層の格差是正に向けた議論が続き、都道府県より広域の選挙区創設などで一層の選挙区見直しも考えられると指摘。だが、合区導入後の対象4県では投票率の低下などが見られる状況を踏まえ「慎重に検討すべき課題があり、広く国民の理解を得て成案を得るには一定の時間が必要だ」と判断した。

 訴訟は全国14の高裁・高裁支部に16件起こされ、一審段階の判決は仙台高裁の違憲1件のほか、違憲状態8件、合憲が7件と判断が割れていた。

 近年の参院選で大法廷は、格差是正のため隣接県を一つの選挙区にする合区が「鳥取・島根」「徳島・高知」で導入された2016年選挙(3.08倍)と、続く19年選挙(3.00倍)をいずれも合憲と判断した。

最高裁判所

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