チュニジアに2-0の勝利を収め、6連勝を飾った日本代表。
アジア勢との対戦を含まない中での快進撃に、来月始まるワールドカップ予選、さらには来年1月のアジアカップに向けて良好な仕上がりを見せている。
そんな圧倒的強さを見せる現在の日本代表において、チームの根幹を担っている5名の中心選手を紹介する。
冨安健洋
度重なる怪我に泣いた昨シーズンを経て、24歳のセンターバックは「本来あるべき姿」を取り戻した。
ワールドカップ後初合流となった9月シリーズで圧巻のパフォーマンスを見せると、所属のアーセナルでも重要な戦力としてマンチェスター・シティ戦の勝利などに貢献。
板倉滉というスピード面で対応力のあるパートナーを得たことで、持ち前のモビリティを攻撃的な守備にも最大限発揮できるようになった。
DFラインの全ポジションだけでなくボランチすらそつなくこなす技術力を鑑みても、再び冨安を怪我などで欠く状況は可能な限り避けたいところだ。
遠藤航
ワールドカップ後、吉田麻也のキャプテンマークを受け継いだ遠藤航。
クラブでも発揮されてきた類まれなキャプテンシーは、次なる段階へ進んだ日本代表のある種“象徴”としてピッチ内外で強烈な存在感を放っている。
森保一監督のチームコンセプトである「良い守備から良い攻撃」を体現しており、遠藤が抜けると途端にチームの軸がなくなってしまうような感覚すら覚える。
この夏加入したリヴァプールではまだ重要な存在になることができていないが、それも伸びしろ。今の日本代表が持つ「強さ」の所以は、遠藤の中にある。
守田英正
日本代表の中盤において「強さ」を担保するのが遠藤だとすれば、攻守における「質」を司るのが守田英正だ。
大卒ながら川崎フロンターレで充実の3年間を過ごし、欧州の中でも次代のタレントに溢れるポルトガルの地で、全てのプレーのクオリティをさらに高めている。
加入2年目のスポルティングでは、智将ルヴェン・アモリン監督から絶大な信頼を得てここまでリーグ戦全試合にフル出場。チームも首位を走っている。
チュニジア戦でも中盤で相手の攻撃の芽を摘みつつ、的確にボールを差配。さらには自らエリア内に走り込み伊東純也の追加点を導いた。
伊東純也
現在の日本代表が「誰のチームなのか」と考えた場合、遠藤航とともに伊東純也の名前を挙げないわけにはいかない。
攻守における圧倒的な貢献。「他人よりも速く走ることができる」ことはアスリートとして絶対的な長所であり、それをプレーで分かりやすく表現している。
この10月シリーズでもカナダ戦で得意の浮き球処理から絶妙のラストパスで田中碧のゴールをアシストすると、チュニジア戦では値千金の追加点を奪取。
髪の色は落ち着いたがプレーヤーとしての凄みは相変わらず。30歳となった今年も進化を続ける、日本代表史上最強のスピードスターだ。
三笘薫
10月シリーズは体調不良により不参加となったが、日本代表が“輝き”を取り戻したのはやはりこの稀代のドリブラーの存在が大きい。
「三笘の1mm」などワールドカップでの活躍で一般層にもその名が知れ渡り、スタジアムで彼の名前が読み上げられるとひときわ大きな歓声が上がる。
破壊的なドリブルと利他的なプレーを併せ持つ世界的にも希少な選手。また先月のドイツ戦後半のように三笘が1列下がることで選手交代せずともチームは5バックへ移行することができる。
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伊東と三笘がいることにより、チュニジア戦で圧巻のプレーを披露した久保建英も気を抜くことができない環境を作れており、チームとしての成長に繋がっている。