チューリップ球根「ネット栽培」拡大 スマート農機フル活用

スマート農機でチューリップ球根の種球を植える職員=砺波市大門

  ●県花卉球根農協が砺波、南砺で植え付け

 砺波市の県花卉(かき)球根農業協同組合は18日、チューリップ球根の栽培で網を使って省力化を図る「ネット栽培」の今季の植え付けを始めた。実証を重ね、生産効率の向上を確認したスマート農機を本格実用化し、チューリップ球根の出荷量で全国一を誇る産地でネット栽培の作付け面積を拡大する。

 県花卉球根農協によると、18日は砺波市大門の25アールと南砺市年代の40アールの圃場でそれぞれ、委託を受けた同農協職員のオペレーターがスマート農機を活用してネット栽培の作付けを行った。

 このうち砺波市大門では同農協が開発し、衛星利用測位システム(GPS)機能付きで自動走行して2枚の網の間に球根を挟んで畑に植え込めるように改良を加えたスマート農機2台を使い、幅約1.6メートル間隔にチューリップ球根の「種球(たねきゅう)」約20万球を植えた。

 今後は砺波市油田や鷹栖でも同様に植え付けを行い、ネット栽培の作付け面積は前年より約0.7ヘクタール多い5ヘクタールになる見込みとなっている。

 2021年度から行ったスマート農業加速化実証プロジェクトは22年度で完了。21年度の実証試験では10アール当たりの作業時間が従来に比べて8割減るなど、改良を加えたスマート農機の活用で省力化による生産効率の向上が認められた。

 県産球根は担い手の高齢化や重労働を嫌って生産者や作付け面積が減少傾向にあり、県花卉球根農協は生産量の維持拡大へ省力生産できるネット栽培の普及拡大を進めていく。

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