剣豪ゆかりのピアノ復活 氷見・旧仏生寺小 斎藤弥九郎、子孫が寄贈

再調整が完了し、来月の演奏会で使われるピアノ=氷見市惣領の旧仏生寺小

  ●地域づくり協が修復 11月、演奏会で披露

 氷見市の旧仏生寺小体育館にあるグランドピアノが修復され、11月12日に仏生寺地域づくり協議会が開くコンサートで演奏が披露される。ピアノは地元出身の剣豪斎藤弥九郎の没後100年を記念して子孫から贈られたが、2011年の閉校後はほとんど使われず、惜しむ声が聞かれていた。関係者は偉人ゆかりのピアノ復活を喜んでいる。

 コンサートは地域づくり協議会が今年、消防庁の防災まちづくり大賞消防庁長官賞と、防災功労者内閣総理大臣賞を相次いで受賞したのを記念して企画された。音楽家の友井賢太郎さん、声楽家の澤武紀行さんが演奏、歌を披露する。

 斎藤は氷見市の仏生寺脇之谷内生まれ。剣術を修練し、江戸の幕末三大道場の一つ練兵館を創設した。郷土の偉人として、ふるさと学習でも取り上げられる。ピアノは100年祭が行われた1971(昭和46)に斎藤家から贈られ、学校行事で長く活躍した。

 仏生寺小時代に調律を担当していた竹田楽器の竹田時康代表(南砺市)に再調整を依頼した。長い間、放置されていたため、音の高低がばらばらで、出ない音もあったという。全面的に調整し直し、演奏会ができる状態に戻した。

 竹田さんは「廃校で使われなくなったピアノが全国で増えている。私にとっても愛着のあるピアノで復活はとてもうれしい」と話した。

 コンサートは午前11時から。これに先立ち、仏生寺地区の防災訓練、受賞報告会・防災講演会を開く。地区住民以外は予約が必要で、協議会ホームページで案内する。

 地域づくり協議会の髙木良治会長は「氷見には音楽の愛好家が何人もいる。音楽イベントの足がかりにしたい」と意気込んだ。

© 株式会社北國新聞社