今夏のマーケットで北海道コンサドーレ札幌からクロアチアの名門ディナモ・ザグレブに移籍したMF金子拓郎。
加入直後に行われたイストラ戦やカップ戦ではフル出場したが、それ以降はなかなかプレー時間が伸びていない状況にある。
『Jutarnji List』によれば、その金子拓郎が今回『Sportske novosti』で初のロングインタビューに応えたとのこと。なお、金子はクロアチア語の通訳を入れて日本語で回答していたそうだ。
金子拓郎
「(ザグレブでの生活は何が違う?)
日本とは何もかもが違うよ。文化も、食べ物も、全てがね。最初は本当に大変だったけど、最近ではクロアチアの生活リズムにも慣れてきたと思う。
生活習慣が変わったことはサッカーのパフォーマンスにも影響したと思う。自分にとってはすべてが初めてのことだったから、簡単ではなかったよ。
でも、今ではもうクロアチアの生活に適応することが出来たと思う。
(北海道コンサドーレ札幌とディナモ・ザグレブを比べて?ディナモはJリーグだったらどんなレベル?)
コンサドーレの監督はこの地域出身のペトロヴィッチさんなので、ボールを持ってパスを多く出すスタイルは一緒だよ。そこには大きな違いがあるわけではない。
ただ、今ディナモ・ザグレブは首位ではないけど、他のクラブと比べて圧倒的に大きな存在だ。これは大きな違いで、日本にはこれほど突出したチームがない。
クロアチアでは相手が全員引いて守ってきたりするので、それを崩していくのは難しいんだ。Jリーグではそのようなことがないので、より試合はオープンになる。
ディナモ・ザグレブがJリーグで優勝できるか?まあ首位争いはするだろうけど、チャンピオンになるかはわからないよ!
(コミュニケーションはどうしてる?)
初めてここに来た時は、まだ英語でのコミュニケーションにも問題があったんだ。日本の学校で勉強はしていたけど、それでも普段の会話にも十分じゃない。
ただディナモ・ザグレブに来てから英語は上達したよ。オンラインでの授業も受けてきた。だから話せるようになったけど、まだ基礎的なレベルなんだ。もっと詳しく話そうと思えば通訳が必要だね。
今は毎日英語の授業を受けているから、数ヶ月前と比べれば大きな違いがあるよ。かなり上手になったし、チームメイトとの食事中にも基本的なことは話せるよ」
(クロアチアではまだあまりプレーできていない)
もっと出場機会があるかと思っていたよ。僕がここに来たのは大きな挑戦だったからだ。国外でプレーしたことがなかったし、ヨーロッパがどんな感じなのか見てみたかった。
でも違う監督の下では信頼を得なければいけないのは当然だし、徐々にそれが出来ているようにも思う。
チャンスを得たらそれを生かさなければならないのは分かっている。いずれファンに僕のすべてを見せられるだろうと信じているよ。
(ディナモに来た理由は?)
ディナモ・ザグレブはチャンピオンズリーグにも出場していたクラブだ。それが魅力に感じた点だよ。
夏の前からヨーロッパでプレーしたいと代理人に言っていた。誰が連絡してきたのかはわからないけど、ディナモからのオファーがあると伝えられた。すぐにコンサドーレに相談したよ。
ディナモのことは子供の頃から知っていた。プレイステーションでゲームをしていたとき、ディナモを使っていたよ。
(ディナモの日本人といえば三浦知良。みんな彼のことは覚えてる?会ったことはある?)
日本のレジェンドだよ。誰もが彼のことを知っている。
面白いのは、彼とはピッチで対戦したことがあるという事実だよ!そして今でもサッカーを続けているというのは驚きだよね。
彼は素晴らしい選手で、素晴らしいキャリアを持っている。僕の夢は、たとえディナモ・ザグレブで短期間のみの所属になったとしても、彼のようにファンの記憶に残ることだ。
(ザグレブの生活は?車は運転してる?)
最大の問題は、日本の運転免許がここでは有効ではないということだね。有効にするための手続きをしなければならないから、まだ運転できないんだ。
今は通訳がドライバーをしてくれているよ。問題はないけど、いずれ自分で車を運転したいと思っている。
ただ、クロアチアでは車線が反対(左ハンドルの右側通行)だからね!最初は問題が起こるかもしれない。そしてこちらの車は四方八方から突っ込んでくるんだ。日本ではそうじゃないからね。
試合がたくさんあったから、プライベートなことをする時間がなかったんだ」
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ディナモ・ザグレブのことは日本でゲームをしていたときに使っていたことがあるそうで、チャンピオンズリーグに出場していたことも移籍の決め手になったようだ。
しかし四方八方から車が突っ込んでくるというクロアチアの道路事情も…なかなか難しいようである。