貿易赤字2兆7184億円 23年度上期、輸出が過去最高

財務省

 財務省が19日発表した2023年度上半期(4~9月)の貿易統計(速報、通関ベース)は、輸出から輸入を差し引いた貿易収支が2兆7184億円の赤字だった。赤字は比較可能な1979年以降で過去最大だった22年度上半期と比べて75.1%減少した。輸出は1.4%増えて過去最高の50兆2418億円、輸入は資源価格の高騰の一服で12.4%減の52兆9602億円だった。

 中国への食料品の輸出は23年度上半期に17.2%減り、9月だけで見ると前年同月比58.0%落ち込んだ。東京電力福島第1原発処理水の海洋放出を受け、8月24日から日本産水産物の輸入を全面停止したことが影響したとみられる。

 貿易赤字は年度の半期で5期連続。輸出は6期連続で増え、初めて50兆円を超えた。中でも自動車は半導体不足の緩和などを追い風に37.9%増え、過去最高の8兆7406億円となった。

 輸入の減少は5期ぶり。23年度上半期の平均円相場はドルに対して前年同期比7円超安くなった。

© 一般社団法人共同通信社