健康目標値2割で悪化 透析患者数、睡眠、子どもの肥満など 県、課題を次期計画反映へ

 栃木県の総合的な健康づくりの指針「とちぎ健康21プラン2期計画」(2013~24年度)で掲げられた51の目標のうち、2割に当たる10項目で数値が基準値より悪化したことが18日までに、県のまとめで分かった。糖尿病による新規透析患者数や睡眠に関する指標に加え、肥満や朝食の頻度など子どもに関する数値の悪化も目立つ。改善は6割、変化なしが2割だった。県は今回のデータで浮かび上がった課題を踏まえ、来年度中に次期計画を策定する。

 新規透析患者数は10年の233人を下回ることを目指したが、21年で282人と増加した。睡眠による休養を十分に取れていない人の割合は、09年度の16.7%から22年度は21.6%に悪化した。

 子どもに関する項目では、毎日朝食を食べる児童生徒(小中高校生)の割合が11年の88.8%に比べ、22年は84.3%に低下。肥満傾向にある子ども(小学5年生)の割合は、11年の男子5.46%、女子4.57%と比較し、21年は男子7.67%、女子5.69%に増えた。

 野菜の平均摂取量は09年の312.3グラムに比べ、22年は292.8グラムに減少し目標の350グラムに届かなかった。総コレステロールが基準値以上の人の割合も、男女ともに増えた。

 健康寿命は男女ともに延伸した一方で、市町間の格差は拡大。運動を習慣にしている人の割合は全体では変化がなかったが、20歳~64歳でみると男女ともに減少した。

 子どもに関する数値の悪化について、県健康増進課は「コロナ禍による活動自粛や生活リズムの変化が影響している可能性がある」と推測。3期計画の策定に向けては「働く世代の生活習慣の改善のほか、子どもや高齢者、女性といった集団の特性を踏まえた健康づくりなど、より実効性を持った取り組みを推進する必要がある」としている。

© 株式会社下野新聞社