猫が飼い主のどこをなめてくるかで意味が違う?3つの部位別心理と、なめられたときに気をつけるべきポイント

1.手をなめてくるとき

猫にとって一番身近な飼い主の一部は自分をなでてくれる「手」です。猫が飼い主の手をなめるときには、いくつか理由が考えられます。

  • 信頼感を示している
  • 食べ物などのニオイが気になる
  • 化粧品などの油分が付いている

猫は生まれた直後から母猫になめてもらい成長します。体をきれいにするのと同時に、同じニオイをつけることでお互いに信頼と絆を強くするのです。これは猫の習性として記憶されるので、大きくなっても愛情や信頼を示すときには相手をグルーミングするようになります。

食べ物のニオイや油分が手に残っている場合には、そのニオイに興味を持っているだけと考えられますが、もし、手がキレイな状態でも猫がなめてくるときは飼い主に対する愛情表現です。お返しにたくさんなでてあげましょう。

2.顔をなめてくるとき

猫が飼い主の顔をなめるのは、手をなめてくるのと同様に信頼している証拠です。飼い主の顔をなめる猫の気持ちには次のようなものが考えられます。

  • 自分に注目してほしい
  • 自分の所有物であるとアピール
  • 子猫にするような最大の愛情表現

寝ているときに猫が顔をなめてくることがあれば、「早く起きて遊んでほしい」「ごはんがほしい」「トイレを掃除してほしい」など、注目してほしい理由があるかもしれません。同居猫がいるなら、飼い主に自分の匂いをつけて自分のものであるとアピールすることもあります。

そして、子猫のときに母猫から大切にされたことのある猫は、飼い主に対しても強い愛情を表現するために顔をなめてくることがあります。猫はこの行動によって飼い主との絆を強化したいと思っているのです。

3.足をなめてくるとき

足をなめるときの猫の心理は、手や顔をなめるときと、すこし違っているかもしれません。

人間の足には汗腺が集中していて、一日にコップ1杯分の汗をかいているといいます。靴を履いて歩き回ったあとの足は、飼い主ですら自分のオリジナルのニオイを認識することが可能なくらいです。

猫の嗅覚はとても優れているので、複雑なニオイの中からさまざまな情報を読み取れます。

飼い主がどこへ行ってきたのか探そうとするのと同時に、猫は飼い主の足をなめることで不要な情報を取り除き、最終的には自分のニオイをつけて元通り「自分のものである飼い主」に戻したいと思っているのです。

なめられたときに気をつけるべき注意点

ハンドクリームやぬり薬の中には、猫にとって有害となる成分が入っている場合があります。手に何か塗っているときは、なめさせないように気を付けましょう。

また猫は口の中にさまざまな菌を保有しており、口元をなめられると感染症になる危険があります。免疫力が落ちていると重症化する可能性のある病気です。

顔をなめてくる猫は愛おしい存在ですが、顔はなめさせないようにした方が安心です。

足をなめてくる場合、なめているうちに興奮して噛んでくることがあります。ケガすると大変ですので長い間、なめさせないようにしましょう。

特に猫が子猫の場合、飼い主の足で遊ぶくせがつくと噛み癖がつくことがあります。

まとめ

猫が飼い主をなめるという行動の裏側には、猫なりの愛情表現や信頼の証であることがわかりました。

飼い主の手や顔は、服に覆われていないため猫にとって一番ふれあいを感じられるところです。ザラザラした小さな舌で一生懸命なめている猫はとてもかわいいのですが、クリームなどを塗っているときにはあまり舐めさせない方がよさそうです。

また、口などをなめられると感染症の危険もありますので猫が顔をなめてきたら気をつけましょう。

一方、足をなめてくる場合にはすこし事情が違います。飼い主の足についた汗やニオイをなめ取ることで、最終的には自分のニオイをつけてしまいたいようです。

なめているうちにエスカレートして噛んでしまうこともあるかもしれませんので、注意しながらコミュニケーションを楽しんでください。

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