インターネット上で影響力を持つ「インフルエンサー」に宣伝を依頼して客を集め、顧客に登録させた消費者金融から借入金を不正に引き出したとして、京都府警サイバー捜査課などは19日までに、不正アクセス禁止法違反と窃盗の疑いで、福岡市の20代の男を逮捕した。捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、男は今年5月、客の女性に大手消費者金融へ会員登録させ、女性の登録情報を使ってATMから借入金約20万円を不正に引き出した疑いが持たれている。
捜査関係者の説明では、男は実在するポイントサイト運営会社の担当者を装い、モデル活動をするインフルエンサーに宣伝を依頼。「(キャンペーンに)登録すれば5万円もらえる」などとする虚偽のキャッシュバックキャンペーンを募り、参加してきた女性に指示したIDやパスワードで消費者金融に登録させ、女性になりすまして現金を引き出していたという。
男はインフルエンサーに対し、キャンペーンに関する投稿や登録がある度に報酬を後払いすると約束し、宣伝を依頼していたという。
国民生活センターによると、今年5月以降、インフルエンサーが宣伝する同様のキャンペーンに応募し、知らないうちに借り入れをさせられたという相談が複数寄せられているという。一部の大手消費者金融はホームページで、インフルエンサーの紹介をきっかけに金融犯罪に巻き込まれるケースがあると注意喚起している。