「佐賀ならではの映像プラットフォームを」 ユニゾンシステムズが佐賀オフィス開設

佐賀市に開設した「ユニゾンシステムズ」佐賀オフィスのスタッフと今村勉也社長(右)=佐賀市天神

 映像関連のソフトウエア開発を手がける「ユニゾンシステムズ」(本社・福岡市)は17日、佐賀市天神に佐賀オフィスを開設した。AIを活用したスポーツ配信事業などに力を入れており、今村勉也かつや社長(56)=神埼市出身=は「佐賀ならではの今までにない映像プラットフォームをつくりたい」と意気込んでいる。

 同社は1991年に創業。動画の編集や文字起こしなど、テレビ放送に特化したシステムを開発し、日本で4社しかないという民放キー局の基幹システムの提供企業に、富士通やNECなどと並んで名を連ねる。近年はスマートフォンの普及で動画の撮影や配信が容易になったことから、一般企業や自治体向けにノウハウの展開を始めた。

 スポーツ関連事業にも注力し、スマホを使った低コストで高品質な配信ソフトの開発に実績がある。柔道や剣道の全国大会では、昨年から2年連続で全試合をネット配信。AIを用いたソフトで映像を自動編集し、試合ごとのハイライトを提供した。

 このほかボクシングの判定用に、パンチを明瞭に視認できる映像をAIが選んで表示するシステムを開発した。日本ボクシング連盟が判定の公平性向上を実現する「鍵」として、昨年から試験導入している。

 県内では2024年に国民スポーツ大会・全国障害者スポーツ大会の開催を控える。今村社長は「国スポをきっかけに、地元企業と一緒に佐賀でしかできないような映像プラットフォームをつくり、全国標準、世界標準にしていければ」と述べた。

 佐賀オフィスは、映像の自動編集・配信などのソフトウエア開発や、西九州地域における営業拠点を担う。佐賀での雇用も予定し、「佐賀にIT企業は少なく、(県外で学んで)帰ってきたい学生の受け皿になれば」と話した。

 本社のほか、東京、大阪、北九州に事業所を構え、佐賀市は5カ所目。売上高12億円、従業員数78人。(小島発樹)

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