防衛省は19日、航空自衛隊小松基地に2隊目となる最新鋭ステルス戦闘機F35Aの飛行隊を配備する計画を明らかにした。基地には2025～27年度にF35A飛行隊の1隊目20機の配備が予定されており、計画では28年度に2隊目のうち8機を追加し、1隊目と同じ20機規模を目指す。三沢基地を含む空自全体では、4隊目のF35A飛行隊となる。
防衛省近畿中部防衛局の茂籠（もろ）勇人局長が小松市に宮橋勝栄市長を訪ね、説明した。
小松基地は現在、2飛行隊にF15約40機を保有している。25～27年度に1飛行隊のF15をF35Aと入れ替える予定で、28年度以降に2隊目も全てF35Aに置き換える計画だ。
茂籠局長は、来年度予算の概算要求でF35Aの取得費用8機分を計上するとした。
空自は三沢基地にF35A飛行隊2隊の配備を進めており、小松基地に1隊の配備を予定している。昨年末に策定した防衛力整備計画に基づき、航空防衛力の質・量の向上を図るため、四つ目となるF35A飛行隊の配備を検討してきた。
小松基地は▽基地周辺の広大な訓練空域を活用可能▽飛行教導群との効果的な教育訓練が行える▽他のF35A飛行隊と同一基地に所在することで効率的な要員養成などが可能―として4隊目の配備先に選ばれた。
●飛行教導群にF15向上型8機
茂籠局長は、27年度までに小松基地に拠点を置く飛行教導群が保有するF15のうち8機を、F15能力向上型8機と置き換える計画も説明した。
計画の説明文書を受け取った宮橋市長は、茂籠局長と非公開で懇談後に取材に応じた。国に対して、騒音対策などを定めた「10.4協定」の順守、安全・防音対策に万全を期すよう強く求めたとし「今回の配備について安全性への影響をしっかり見極めた上で対応したい」と話した。
茂籠局長は同日、新田寛之市議会議長ら市議4人にも計画を伝えた。
★F35戦闘機 レーダーで捉えにくいステルス性に優れた「第5世代機」と呼ばれ、高い機動力とミサイル探知能力を持つ。米ロッキード・マーチンが開発主体。米空軍仕様のA型、海兵隊仕様のB型、海軍仕様のC型がある。
