5回目の自動運転実証実験 過疎地域での新交通手段として実用化へ前進 静岡・松崎町

2023年で5回目となる自動運転技術の実証実験が、静岡・松崎町で行われています。過疎地域での新たな交通手段として期待される自動運転。実用化に向け、前進しています。

自動運転の実用化に向け、静岡県が民間企業と連携して行っている実証実験が2023年も松崎町で始まりました。

(藤見 武 記者)

「今、公道に出ました、運転手はハンドルを握っていません」

街を走るのは「グリーン・スロー・モビリティ」と呼ばれる8人乗りの電気自動車。最高時速は19kmです。現在、自動運転のレベルは「レベル2」の段階で、あくまで運転の主体はドライバーですが、将来を見据えた実験も行われています。バスには10台のカメラが取り付けられ、映像は、遠く離れた沼津駅近くに設けられた遠隔コントロールセンターに送られています。

( 県建設政策課 未来まちづくり室 増田 慎一郎 室長)

「沼津は遠隔監視、不具合があるとか前方に何かあるとか、走行の支援をしている、将来的には遠隔操舵、遠隔監視だけではなく遠隔操舵を視野に入れている」

最大の特徴は、GPSを使わず、3次元の点群座標データを活用して走行しているということです。

( 県建設政策課 未来まちづくり室 増田 慎一郎 室長)

「コースは“ダイナミックマップ”と呼ばれる方式、コンピュータ上にレールが敷かれていて、(バスが)その上を走っている、インフラをいじると、自動運転のためにすごい工事をしなければならないが、コンピュータ上に存在する“ダイナミックマップ”のレールを走るので、舗装工事をしようが、このコースはこのままで行ける」

県が推進する自動運転のプロジェクトは、2019年から始められ、2023年が5年目です。松崎町のほか、沼津市や掛川市でも実施されています。

過疎地での高齢者の移動支援、ドライバー不足など地域交通の課題解決に向け、実用化が期待されています。今回の実験では、路線バスがない地域とスーパーを周遊する約4キロのコースが設定されました。町の職員も実際に乗車し、意見を反映させます。

(乗車した町職員)

「不思議な感じ、でもこれが普通になっていくんだろうと思います」

「観光面でも、地元の足でも両面でいいことがある、地元の人の理解が深まればいい」

「移動に困る人が増えてくると思うので、自動運転で地域の課題が解決できる兆しが見えた」

県は、今回実験を行った「レベル2」の状態であっても、いち早く実用化にこぎつけたいと話します。

( 県建設政策課 未来まちづくり室 増田 慎一郎 室長)

「ことしは去年と違い、本物のルートを考えました、距離が延びたことと、細い道を今回は通っている、2024年度以降に地域実装を考えて、それを目指して今頑張っている」

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