「生命力あふれる絵柄、見学会で現物で感じて」縦2m横20mの巨大壁画 陶板画での保存を提案 広島拘置所壁画保存の会

広島拘置所の巨大な壁画の保存を訴えている市民グループが、壁画を広島城の近くに「陶板画」として残すよう提案しました。

広島拘置所の外塀には、高さ約2m、横幅約200mの大きな壁画が描かれています。

1989年に、広島城築城400年記念事業として広島市から依頼を受けた、洋画家で被爆者の故・入野忠芳さんが江戸時代の風景や風俗を描いた絵巻を元に制作しました。

外塀は、来年度以降に行われる広島拘置所の建て替えで、取り壊される予定です。

入野さんの妻・泰子さんは壁画の保存を求めて去年、広島市に要望書を提出し、「保存の会」を立ち上げました。

入野泰子さん
「生命力を感じるような絵柄になっている。戦後、被爆によって色んなものがなくなってしまった広島が復興する生命力と重ね合わせて、主人は描いたのではないか」

壁画について広島市は、デジタルデータとして残す方針です。「保存の会」は、さらに現物の3分の1の大きさに縮小した「陶板画」として復元し、広島城の近くで展示するよう提案しています。

「保存の会」では29日に見学会を開きます。壁画の制作秘話なども紹介されるということで、多くの参加を呼びかけています。
【広島拘置所外塀の壁画見学会】
10月29日(日) 午前10:00~ 午前11:00~ 正午~
●参加無料 ●予約不要

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