日本代表は今年に入って7勝1敗で合計26得点奪取と世界中から注目されるほどの快進撃を見せている。そんなサムライブルーの競争は激しく、中々新規戦力が定着できずにいる状況だ。
Jリーグを見ると代表に未招集ながら圧倒的な活躍を見せてチームをけん引している選手たちがいる。彼らがなぜ未だに代表キャップ数ゼロは不思議でしかない。
今回は代表招集ゼロでも活躍しているJリーガー3選手を紹介する。
年齢を感じさせない攻守の柱
奥埜博亮
所属:セレッソ大阪
ポジション:セントラルミッドフィールダー
セレッソ大阪の攻守の要である奥埜は、出場の有無でチームのクオリティが変わるほどの選手だ。豊富な運動量を生かしてどこからでも顔を出し、激しい球際の守備から鋭い2列目の飛び出しなどで違いを作り出している。
ベガルタ仙台の下部組織出身でユース卒団後は東北の名門仙台大進学を経て、卒業後に仙台へ返り咲いた。仙台でもインテンシティに優れたプレーでチームの窮地を救う活躍を見せて大きく貢献した。
これまで代表招集はゼロと、これまでの活躍から考えると不思議で仕方がない。34歳と高齢だが、昨季は優秀選手賞を獲得するなど年齢を感じさせないパフォーマンスを見せている。昨年30歳を超えて代表デビューした横浜F・マリノスMF水沼宏太に続いてほしいものだが。
今季アシストランキングトップの司令塔
樋口雄太
所属:鹿島アントラーズ
ポジション:セントラルミッドフィールダー
今季アシストランキング首位(アシスト数12回)を独走するMF樋口雄太の実力は、鹿島にとって無くてはならない存在だ。プレースキック、流れの中でマークを背負った状態でもピンポイントに狙いへ通すパスは、チームの攻撃にとって生命線になっている。
プレースキックの際は早く正確なボールを前線に供給し、頭で合わせるだけといったアタッカーにとってプレゼントと表現できるほどのボールを送る技術がある。そして直接ゴールを狙う際は、ドライブ回転がかかったボールは鋭く変化し、ゴールキーパーから逃げるような弾道を描いてゴールに突き刺す様は芸術といっていいかもしれない。
空間認知、距離感、判断の早さなどが鳥栖時代より磨きをかけるように成長しているため、アシスト数増加につながっているのだろう。本職のプレースキッカー不在の日本代表に乗り込めるだけのキック精度があるため、代表入りを含めた動向を注視ししていきたい。
代表待望論が絶えないストライカー
鈴木優磨
所属:鹿島アントラーズ
ポジション:センターフォワード
Jリーグ屈指のストライカーである鈴木は、リーグ戦28試合13ゴール5アシストと最前線で格の違いを見せつけている。強じんなフィジカルと繊細なタッチを生かしたポストプレーが得意であり、激しいプレッシャーをものともせずにボールをキープして前線でチャンスを作り出す。
また空中戦でも類を見ない強さを見せて、セットプレーや流れの中でもヘディングで豪快にネットを揺らす。また時折見せる相手の隙をついたラインブレイクも強力だ。穴がない万能型ストライカーなだけに、いまの日本代表に必要と思える存在だ。
【関連記事】鹿島アントラーズ、「歴代最強の日本人選手」はこの5人!
ただ素行面に不安を抱えており、5月14日に行われたJ1第13節鹿島—名古屋グランパスエイト戦前半29分に鈴木が得点後に木村博之主審を睨みつける事案が発生したことで、レフェリーブリーフィングで問題視された。規律を重視する森保一監督なだけに、招集はきびしいと見られている。