教科書をデジタル化 小山高専 鈴木教授ら、アプリ開発 自由にカスタマイズも 

A-txtの使用イメージ

 【小山】小山高専電気電子創造工学科の鈴木真ノ介(すずきしんのすけ)教授(48)らが拡張現実(AR)技術を使い、教科書のデジタル化などに活用できるスマートフォン向け無料アプリを完成させ、普及を進めている。鈴木教授は「自由にカスタマイズできるので、教材の充実に生かしてもらいたい」と話している。

 アプリは「A-txt(アクティブ・テキスト)」と「コンテンツ・メーカー」の2種類。鈴木教授がコンセプトを考え、研究室OBが運営するベンチャー企業「covelline(コベリン)」(東京都豊島区)が制作した。6月から一般利用が可能になっている。

 A-txtは「マーカレスAR」という技術を使用。QRコードの代わりに「マーカー」となる図や写真、文字などにカメラをかざすと、詳しい情報(コンテンツ)が表示される仕組み。マーカーとコンテンツはもう一つのアプリ「コンテンツ・メーカー」で自由に作成できる。

 例えば、コンテンツ・メーカーを使って教科書の表紙をマーカーとし、解説文や動画など表示させたい関連情報をコンテンツとして収録。共有利用者がA-txtを立ち上げてマーカーにカメラをかざすとコンテンツが映し出され、タップすると閲覧できる。一度ダウンロードすればオフラインでも利用できる。

 文部科学省などの科学研究費助成事業として手がけた。無料でアップルストア、グーグルプレイからダウンロードできる。ウィンドウズ版も開発中。鈴木教授は「バースデーカードや観光マップなどにも応用できる。情報発信にも活用してほしい」としている。

 学校単位など団体から要望があれば、無料で出張講座に応じる方針。アプリを活用し、個人情報や著作権など情報倫理を学ぶ講座の実施も検討している。

 (問)鈴木教授0285.20.2240(小山高専内研究室)。

鈴木真ノ介教授

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