絶滅危惧種のカンムリシロムク、展示室内で初繁殖 富山市ファミリーパーク

母鳥(左)から餌をもらうひな

 富山市ファミリーパークは19日、同市古沢の同パークで絶滅危惧種「カンムリシロムク」の繁殖に成功したと発表した。同パークではこれまでもカンムリシロムクが繁殖した事例はあるが、複数の熱帯鳥類と一緒に飼育する「バードピア」の展示室内で自然に繁殖したのは初めて。

 9月12日に巣穴を調べた際、四つの卵があることを発見。そのうち一つが有精卵で、同月18日に展示室からピーピーと元気な鳴き声が聞こえた。10月15日には健康に育ったひなが巣から出ているところを確認した。性別の判定や体重などの計測は今度行う。

 繁殖は2019年と20年に同パークで生まれた2羽が行った。現在、同施設の展示室内で母鳥と一緒にいるところを見ることができる。村井仁志園長は「絶滅危惧種保全への第一歩となってうれしい」と話した。

 カンムリシロムクはインドネシアのバリ島にのみに生息し、森林伐採や乱獲などにより絶滅の危機にひんしている。

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