米シカゴで水俣病の写真展 「責任逃れが被害者生んだ」

19日、米シカゴの大学で、水俣病患者の写真について説明するアイリーン・美緒子・スミスさん(共同)

 【シカゴ共同】写真家の故ユージン・スミスさんと、元妻で共に水俣病を世界に伝えたアイリーン・美緒子・スミスさん(73)=京都市=が水俣病患者らを撮影した写真が米中西部シカゴのデュポール大で展示されている。アイリーンさんは19日、写真を前に「(原因企業の)チッソが責任を逃れようとして被害者が生まれた」と集まった学生に語った。水俣病被害者の思想に関する著作があるデュポール大の宮本ゆき教授らが企画した。11月16日まで。

 熊本地裁が73年の判決でチッソの責任を認めた第1次訴訟に関する写真もあり、アイリーンさんは「環境問題で正義を勝ち取ることは可能だと気付いた」と振り返った。

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